振子時計でア・ソ・ボ 3

2016 01 18


1号機で使った愛知時計と同じ形式の時計を入手しました。
今回の機材は「祝 開店」と書き込まれておりつい最近まで数十年間使われていたモノらしいです。
ほとんどタダに等しいお値段で入手しました。





  

動かなくなったので下の隙間からスプレーグリースがプレゼントされ…ノックアウト、埃が被って真鍮がチタンのような色になっています。



ゼンマイは強烈な力ではじけるので針金で巻いてから解体し、超音波洗浄します。



 
ここで一計を案じます。
ゼンマイのあった部分にアルミ製のプーリーを作って・・・チェーンを巻き付けましょう。
ゼンマイの厚みが19mmでしたから厚みは19mm、直径は50oですがこれは転がっていたアルミ部材が50oだったから・・・

チェーンがスリップしないようにプーリーの溝に2mmの突起を等間隔に植えこんでみます。
チェーンの間隔と突起の間隔はぴったり合わないと1回転後には乗り上げたりしてアウトになりますが
ヤマ勘が当たってか天祐か、見事にピッチが合いました。

このラチェットホイールはゼンマイを巻く都合でワンウエイクラッチになっているのも素晴らしい。
これで重錘は時計を動かす右回りの力となり、錘の引き上げは左回りで何時でもスルスルと引っ張れるのです。


いきなり完成です。

ベースは焼桐板を使いました。
文字盤はスチレンペーパー3mm、文字は100円ショップに走り込みました。
今回、時報用の機能はすべて撤去しています。

時刻の4と5の後ろにあるのがラチェットホイールで鎖の右側に重錘を下げています。
重錘の巻き戻しは左側の鎖を気が向いたときに引っ張るだけ、一日の移動量は90mm弱です。

既成の重錘式時計の
錘はどれくらいを使ってあるのか調べてみたら150年前のドイツの8日捲き時計は3sとありました。
僕の時計は最初、分針だけつけて計測したら800grで何とか動いていたので1sで良さそうだと思っていたら
時針を付けた途端に負荷が増えて動かなくなりました、微妙なものですね。
時針と分針の軸は同軸上ですから問題はこの辺りだと少しだけ渋い軸穴と軸心を慎重に割りばしや竹の箸で研磨して軽く動くようにしました。
ほとんど負荷を感じなくなっても分針の動きからギヤを3枚通していると負荷になるのだなぁと妙に感心します。

最終的に旋盤室に転がっていた真鍮棒材40φ130mmの素材をぶら下げました。

150年の歴史は歯車や軸受けの精度を上げているのですね、
単純には比較できませんが重錘の重量を半分に減らし
少し高い所に設置すればチェーンは2mありますから14日巻として使えます。



前面は3mmガラス板で、部品を抜いて使ったジャンクスキャナーのガラスを利用。
ガラスに穴をあけるのは大変なので上下にマホガニーの8mm板で挟んでねじ止め。
サポート軸はアクリル丸棒。



撮影のため前面ガラスを取り外しています。
振子に化粧をしてみたり余長の鎖を折り曲げて見たりお化粧中です。
スプロケットホイールもチューニングして4つ歯に減らしました
一応完成です。

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