野辺の肥前狛犬

ハッケヨイヤーノコッタ

2011-4-3


佐賀県一帯に江戸初期から中期まで作られたと伝えられる「肥前狛犬」と分類される狛犬がいます。
狛犬としてはどちらかと云うと小型でしかも四肢の間を彫り残す素朴で独特な形状のものです。

今回ご紹介するのは佐賀市西与賀町周辺で見つけた狛犬のいる祠ですが畑か田圃(休耕中ではっきりしません)
の中の少し土を盛り上げた所に「大権現」と彫られた石塔が祭ってありまして、
その前で天を仰いだ阿形とうずくまった少し小さな吽形と思われる狛犬が対峙しています。

左右の大きさが違うので別々の狛犬を1個ずつ持ち寄って組み合わせたものかとも思いましたが
他の神社でこの大小の組み合わせの一対を拝見しましたのでこれが最初からの一対なのかもしれません(不明確)。



小さな前方後円墳のように見えなくもありませんが石塔の高さは80cmぐらいだと思います、
土塁も1mちょっとの高さでしょう、まさに耕地の中です。




まるで数百年ものあいだ大権現様が行司をしているお相撲に見えました。



天を仰ぐ阿狛犬
顔の前面をスパッと平面に裁断する顔作りは500年ほどの古い狛犬に時々みかける事があります。




角度を変えて祠の方から見てみます、真下に下した前肢の始末が実に素朴です。



小さな野の花に囲まれた吽形




スヌーピーのような姿、黒いのはビロードのような苔を纏っているのです(祠の方から見ています)。


佐賀のこのあたりは縄文の時代に始まり、弥生期に栄えた一大環濠集落址が発見された「吉野ヶ里」の近くです。
さらには「徐福伝説」の徐福が始皇帝の命を受けて3千名の若者たちを引連れて日本に上陸したとされる地点の近くでもあります。
奉納された年代が確定できるならば重要文化財や国宝級の狛犬ではないかと勝手に思い込んでしまっています。

民有田畑の中でもあり小さな狛犬さんたちなので細かい所在地は伏せます。

写真、正方形の分は Bronica EcTLII Film Rollei RETRO 400S D76
ライカ版は EOS1000QD Fuji PRESTO 400 D76

 TOPへ戻る