中判MutoWide618の製作
2007/01/01

昨年11月末に写真で知り合いの写真家ebatom氏よりなんとスーパーアンギュロンf:8/90mmを頂戴してしまいました。

この有名なレンズは57サイズ(5インチ×7インチ)をカバーする名玉でかなり高価なレンズです。
さて折角のお志ですが私の手元には57のフィルムはもう一箱しか在庫がなく
モノクロを求めるなら海外から取寄せなければならない状態です。
かといって、これでシノゴに使ってみても折角のイメージサークルの大きさが生きません。
シノゴでアオリを一杯効かせる撮影スタイルに使ってもいいのですが余り変り映えしないですね。
ではイメージサークル目一杯に使おうじゃないかとブローニーフィルムを使うパノラマカメラに挑戦して見ました。

既にリンホフ社、フジフィルム、ウイスタ社などでこの手のワイドカメラは製造されていますので
特に目新しい物は作れませんがファインダー視野の下部に水準器が見れるなどの工夫をして見ました。
そして、リンホフ社の617の向こうを張って618とささやかな拡張を試みています(実寸57×178mm)。

この写真機を作るに当ってたくさんの友人の応援を頂いております。
レンズをご下賜くださった前出のebatom氏(WEBネーム、以下の方々もWEBネームです)を筆頭に
フィルムフォルダーはサムスル氏とプウー博士からの頂き物。
ヘリコイド機構はプウー博士、ボデーパーツはサムスル、SCR両氏。
塗装指導はミナレリ氏と枚挙に暇がありません。
皆さんのご好意に感謝すると同時にこのような品物が完成してご好意に報いることが出来たと喜んでいます。

フィルムホルダーはマミヤスーパーなどに使われる例のグニューっと曲がったホルダー2個を切り継ぎして
撮影巾178mmのホルダーを作りました。
この長大な寸法に平行度を完全に保つために先ず苦心しました。




完成写真、あまりドンくさいと外に持ち出すのが億劫になるので革張りの部分は軽快な色にしました。
中の芯はサムスルさんから頂きのマホガニー、革はSCRさん、塗装指導minareliしさんありがとう。

この手のカメラはファインダーの自作が苦労するところです。
ファインダーの見えが悪いとなんとなく撮影意欲がそがれてしまいますので明るくするために50mmの対物レンズを
探すことになり、証明写真機の免許証用コンバーターレンズ(凹レンズ)を2個拾ってきました。
接眼の凸レンズは出所不明の在庫品です。
外装はアルミ削りだし、接眼部外装は塩ビパイプ、対物レンズの固定用のネジを切るのに苦労しました。

このドデカイレンズの上下は無用の長物となるところでしたが「會津」さんのアイデアというか
この様な機材を使い慣れた先輩からの助言でファインダー内に水準器が見えると手持ちで使いやすいぞと・・・
これを聞いたときには一瞬背筋が寒くなりましたが、負けてたまるか何とかしてみよう。
ありあわせの残材で作る道楽ですのでたいしたことはできませんがエプロンの広さもあるので
直角プリズムでエプロンの上にセットした水準器の姿を折り曲げて観測し
撮影画像と水準器の視差をなくすために50mm対物レンズの下側に凸レンズを貼り付けてしまいました。
プリズムも凸レンズも廃物を砥石で削りだし整形した物です。
ファインダー本体はでかいので長いアクセサリーシューに搭載して視差の個人差調整と同時に
持ち運び時に取り外せるようにしています。
レンズ周りには定石どおりにガードレールをつけました。


  
左が中国製の安物の双眼鏡に付いていたプリズムを砥石で削りだして有害光線を除くために3面を残して黒色塗装。
右は50mmの対物凹レンズ2枚組みの全面に3面を削って整形した凸レンズを下部に貼り付けています。
このホンの中央部分で数センチメートル先の水準器にピントを合わせます。
ガラスの周辺部は塗装でカバーしています。



これはファインダーの構造イメージです。
対物レンズの下側に遠近両用2焦点めがねのように凸レンズを貼り付けて
その視線の先の直角プリズムで水平面に置かれた水準器を観察します。
ファインダー自体は取り外しも出来ますがアクセサリー・シューが長くスライドできるので
被写体と水準器の視差を個人的に調整出来ます。


  
左の画像は2枚のホルダー金具を切り継ぎして平行度を出して固定しているところ。
右側はバックプレートを継ぎ合わせているところ。


  
←画像は一応仮つなぎに成功して巻き止め解除や巻上げリボンの接続加工中。
右は69の自動巻上げを偶数番を飛ばして18cmでオートストップするために双眼顕微鏡で観察しながら半田付け加工中


  

左は完成内部、内面反射防止バッフルを2段内蔵していますので万全な筈です。
右は暑さ10mmの底板、三脚ネジ穴が4個付いていますのでお好きなところにどうぞ(ジャンクに最初から付いていたのです)
重量がかさむのと操作用にレンズ部は肉抜きしています。


  
左は真上から俯瞰したところ、横幅295mmもあります。
右はカバーを閉じた後姿、補強板をいれたのいで少し膨らんでいます。



真正面からのビューと側面のビュー



これがファインダーで覗いた視野
フレームの下側に水準器の丸い輪と泡が見えますでしょうか?

今回この工作が一番苦労しました。


とりあえずの試写(この4駒で120フィルム1本アガリィ)
デジカメでは永遠に到達できない贅沢な領域だろうなぁ。

成人の日というのに荒天で遊園地にもほとんど人影がありませんでした(と、言い訳をする)。


水平ばかりに気を取られ頭が欠けました。


同じく、もう少し上に振ればよかった。


」自分のコンピュータ、キーボードの中央あたりが1mはなれたピント面の筈。
歪のないレンズの性能だけ見てください


これも1mはなれたところに冬眠中のドラゴンフルーツ、
土の温度は常時観察中。


レンズを頂戴してから約40日間での完成となりました、まあ超特急ですね。

Wide 295mm
Height 180mm
Depth 205mm
weight 2050gr
lens Super-Angulon 1:8/90
Shutters Synchro Compur 

END 

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