Mutoflex RB67(TLR)の製作

マミヤRB67と127mmのヤシノンレンズ(ポラロイド120に使ってあるレンズ)がクライアント様から送付されてきました。
このRB67を2眼レフにしてくれと。
マミヤRB67は当然レンズも付いて完動品のようなのです。

実のところこの話には忸怩たる気持ちが先に立って全くやる気が湧きません。

ねぇ皆さん、そうじゃありませんか、尊敬する間宮さんのしかも完璧に熟成された1眼レフを
わざわざ図体のでかい、パララックスも大きく邪魔をする機械に改悪せよとのご命令じゃございませんか。

やはり物作りと言うのは新しく価値のあるものを生み出さないと
駄洒落の世界ではいけないと思うのであります。

それにしても127mm/3,8のレンズを装着したRBは超ど級でありまして重量はやがて2,7kg、重たいですね。
別の目的に使おうと同封されたヤシノン127mm/4.7はセイコー社のシャッターが付いているのに恐ろしく小さいのです。

数日間眺めているうちに あ!焦点距離は同じだよ!!

どうせ加工をせずに送り返しても納得はされまいだろう、
オリジナルよりも軽いカメラに作りかえれば自分にも納得がいくじゃないか!

計 画
1 レンズマウントはぶっ壊してしまう。
2 内部の不要物はくりぬいて軽量化を図る。
3 シャッターのチャージとレリーズはオリジナルの機構を連動させる。
4 パララックスは最短1メートルまで自動補正機構とする。
5 重量は可能な限り軽量化する。

これなら自分にも納得がいくと工作を始めることにしましたが、やはり動く機械を壊すのは忍びない物があるので
YAHOOオークションで壊れたジャンクの出現を待ちましたがなかなか出ないし値段も高い。

クライアント様は金持ち、物持ちだから動くモノをぶっ壊してもいいか、必ず完動品を作れば良いのさ。



今回は製作途中の画像は掲載しません。
最短撮影状態でビューレンズはヘリコイドと連動して最下端に降下しています。
右手で操作するコッキングレバーを90度前に倒して戻すとシャッターがチャージされます。
(今はシャッターチャージ状態です)




ファインダーフードを立ち上げると30cm弱にもなってしまうのです。
ヘリコイドは∞位置に後退していますのでビューレンズが上昇しています。
シャッターをレリーズした後の状態でシャッターレバーは押されたままになりますので
「B」が「T}と同じく開きっぱなしになるのが特異な状態です、その他は変りません。
なおレリーズは向かって左下に見えるレリーズボタン(RB67オリジナル位置)で、ケーブルレリーズも使えます。


   
左の写真はシャッターレリーズ後、無限大に近い位置             右の写真はシャッターチャージ完了、最短距離(1m)。


   
              左、サイドビュー ∞位置                      右は最短1mでのサイドビュー・ビューレンズが15mmほど降下します。     


   
反対側から見たサイドビュー


完成仕様

1 チャージレバー操作でシャッターのコッキング(オリジナルRB67と操作感は同一)
2 ボデーレリーズでシャッター操作(オリジナルRB SLRと同じ操作)
3 シャッターレリーズしたらフィルムホルダーに撮影完了ポインター表示(オリジナルどおり)
4 ヘリコイド操作に連動してパララックス自動補正(無限大から最短1mまで連動)
5 ピントフードぶはオリジナルと全く同じく銘板スライドで脱着。
6 
完成重量 2.395kg オリジナルRB67より300grダイエット成功。


試  写

ピント位置確認、光線漏れ調査、レンズ性能検査をかねて第1回目の試写はネガカラーで行いました。
フィルム感度がASA160 で期限切れで格安、レンズの色特性調査ということで

現像液は写真仲間のSCR氏より寄贈された中国漢方粉薬を調合しました。


右横に伸びた蕾に合わせたつもりでf:4.7/  1/500
わずかに後ピンのようです。
花の右上に光線漏れが見えます。
ボデー前方からの光線引きですとこのようにくっきりとした光線漏れになりにくいですね。
ロールホルダーが古くてモルトプレンが完全に溶けていました。


部分拡大。



レボルビングすると光線漏れも90度回転しますので間違いなくロールホルダーの光線漏れと判断出来ます。



ロールホルダーの遮光をして、ASA400を装填、日中をさまよってみました(リーク試験)


公園には人けもなく帰ろうと車に乗ったら人が来たので助手席の窓を開けて1枚。



近くの小学校は当然中に入れません。
塀の外からこんな写真を撮っても叱られるのでしょうね。


カラーでも写した花最短距離の撮影です(花の横幅15cm)


ここでクライアント様のご注文(よくまぁ色々と思いつかれます事・・・アヘェ〜)
使い捨てカメラのストロボを内蔵して被写体様のオメメにピッカリコと☆彡を入れるようにしろだって)


オイラも天邪鬼、表にはキセノンランプの部分だけにして回路基板はミラーBOXの空間に収納。
SWとPLは後ろ側にセットしました。


ハイ、オメメがピッカリコですが34度の猛暑で鼻の頭までピッカリコ。
ピッカリコ67とでも改名しますか。


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END