Erica 645をリメイク 名前も改名します。
Erica Windsor645
(35mmカメラの標準レンズを中版645の広角レンズにする。)
2009/9/30


昨春35mmカメラWindsorの「50mmf:3.5 Sigmarを645ブロニカETRのマガジンにくっつけたものを製作しました
これのマガジン部の不具合なども出て操作もややこしいものでしたので使い勝手が悪く、
思い切って手持ちの別マガジンの修理をして
シャッターレリーズに連結した自動巻き止め機構を工夫してみました。
ついでにカビの付いていたレンズを全面的に研磨。

元々このレンズはWindsorというカメラ名で昭和28年頃「東興写真」という会社がサモカなどと同じような位置付けの廉価で製作したカメラです。
レンズの硝材はNikonのものを使っている様なのでNikonの協力会社だったのでしょうか。
面白いことにWindsorのレンジファインダーは国産最初の等倍レンジファインダーで
翌年頃にNikonがS2等倍ファインダー地機を発売していますからある意味時代を先取りしています。
(もしかしたらNikonの実験を受け持ったいたかもというのは私の単なる想像で中身はシンプル)

今回は機構的にはヘリコイドでスラストする鏡胴の全域をカバーするアームを作って
鏡胴部のシャッター操作の動きをクランクアームを介してマガジン側に伝えるだけです。

ただ工作としてはレリーズの操作量とマガジンに伝達するストロークの比率をよく観察して
ベルクランクの作動量と位置を決定するのが重要です(
90度変換移動量が割と近い比率でしたので助かりました。
マガジンのピンを押す板材を燐青銅板にしてオーバーストロークにして逃がしてやった方が得策でした。

小さな金具類は全部素材から削りだしたり切りだしたりなので一品作りは結構厄介な作業です。



メカカバーを付けて完成の図




この写真ではシャッターが右に押されますと
2mmの回転軸を通して約90度角度変換して
下からボデーを貫通して出ているマガジンのピンを押して巻き止めを解除します。
ヘリコイドは5mm弱前後、この写真では上下スラストします。
ピンが押されるとマガジンは一コマ巻き上げてあとはクラッチが切れてフリー回転。
次にシャッターが押されるまでは巻き上げはしません。

独り言 ドイツ人はクランクとかカムで機械を作り上げてしまいますね。
一度調整が済んでしまえばあとのメインテはほとんど必要ない。
日本人はどうもそれが苦手でついソレノイドや歯車使うのであとの故障が多いような気がします。




斜め上から見た裸の機構
ここにカバーをすれば完成。



ブリキ細工はついに腕が上がらないままで苦手。
ファインダーはErica Westerの時に2個作った残り、筒は水道の塩ビパイプ。
マスク次第で31mm相当以上までの広角ファインダーに変身します。



ほかにお見せする物もないのでシャッターレバーの操作がマガジンに伝わる所。



ストロークはほんの3mmほどですがこれが狂うとマガジンのラチェット爪がアウトになる。
華奢なラチェットフォイールは上の円形のカウンター部の陰にあります。


試写
NEOPN400PR D76


1 35mmサイズ31mm相当の広角ですが歪みも少ない(自画自賛)。f:8と11の間



2 手水鉢の中の石カメ。 f:5.6



3 阿 f:4と5.6の間。



4 吽 なかなかいいレンズでしょ?

END

TOPへ戻る