69プレスカメラ風レンジファインダー・レンズ交換もできる軽量プレスカメラ
610プレスとでも呼びましょうか。

2007/11/3

ジャンク箱の整理をしていましたら水没したリンフォフ、テヒニカ23の軍艦部の一部と妙な接写リング、
出目金なマミヤプレス用50mmレンズが出てきました。
ほかにジャンクではないのですがトプコンホースマンの69フィルムホルダーが近くにありましたので
これとリンホフ、テヒニカ23の軍艦部を重ねてみますとまるでぴったりの幅なのです。
その上に出目金な50oレンズをあてがうと妙な感じながら一つ纏まりそうな感触です。

リンフォフ、テヒニカ23の軍艦部は対物レンズ、接眼レンズは周辺が錆びついて分解できないものの
隙間から掃除は何とかできそうな上にハーフミラーもまだ死んでいない様子なので
反射ミラー駆動部は無い物の何とか工作出来そうな気配であります。

トプコンホースマンのロールホルダーの上下寸法は94mmでこれの上にリンホフの軍艦を搭載するのに
ちょうど50mmアルミアングルを使えそう、厚みは3mmのがありますのでLアングル2個を突き合わせて
100mmのコの字を形成すると内寸法が94mmでホースマンホルダーが寸分違わずあてがえます。

リンホフ軍艦幅とホースマンホルダーの幅が合致した上にホースマンのホルダーの上下寸法が
50mmアングル2個を付き合わせた間にぴったり収まる寸法です。

早速アングルを133mm幅に2個付き合わせロールホルダーに8個の穴を開けて皿ビスで接続しますと
あっという間にロールホルダーと軍艦部が一体になります。

マミヤプレスの接写リングとホルダーの間に20mmほどの空間ができますのでこれを8mm、2mm等ののマホガニーの板を積層して
間を埋めますが積層構造にすることでひずみを少なく食い止めると同時に各層ごとに中の切り抜きを変えられるので
複雑な形状の空間を軽量化しながら構成できます。


左が本体?ロールホルダーとRF機構、中央はスペーサー?右側が接写リングを装着して距離計用のカンチレバーが付いたレンズ部分
普段はロールホルダーとスペーサー、接写リングまでが組合さって一体となります。



これがスペーサー?の工作中ですがマホガニー材を積層しています。
途中でいろんな形状に切りぬいたものを重ねていけます、
今回は大した形状ではありませんがかなり複雑なものもできますし、非常に軽量です。



接写リングを通してレンズのヘリコイドに接触する駆動棹を工作します、これで距離計のミラーに動きを伝達します。



軍艦部には距離計の折り曲げ駆動ミラー機構などは一切紛失していてありません。
そこで国産の古い中級カメラのミラー部分のジャンクを使って回転ミラー部を使います。



手前下側はレンズ後方から軍艦部に向かって突き出た棹と旋回ミラー部の接続。



後方から見たところ、ミラー部分は必要以外のところは切り取っています。
下側、横に走るのはやじろべーの梃子ですが中心軸は左右にスラストして固定できますので距離計のフルスパンを調整できます。
ミラーの上下、左右の微調整はミラーブロックの軸周りにその機構があります。



御覧のように写真では上部の本体側にミラー機構があり対物・接眼レンズ、ハーフミラーは軍艦部にあり
これを完全に組み合わせないと調整できません。
そこでいまあくせアクセサリーシューの部分をくりぬいて一体化した機構を上部から調整できるようにしました。



この様に組み付けた状態ですべて調整できるので非常に調整がスムーズに行えます。
もちろん調整後はアクセサリーシューを付けたプレートで塞ぎます。
上方に伸びてボデー内に入っているレバー周りは真鍮カバーを付けます。
なお、リンホフのハーフミラーを含めた光路設計は直角とか45度とかではなくかなり自在に曲げてありますので
こちらも柔軟に角度調整しなければなりません、1m〜∞までのミラーの旋回も現物合わせ自在式で対応していますが
一度位置決めが終わったら二度と動かすところではありません。


実は50mmの超広角専用カメラを作る計画でしたが距離計も付いてしまい、しかもレンズは接写リングの部分で
脱着ができる・・・と云うことはマミヤプレス用のレンズが距離計連動でほとんど使えると云うことです。
ここまで出来上がって初めてそれに気が付いた迂闊さ。

手持ちのマミヤプレス用レンズを調べると50mm、100mm、150mmと3本ありました。
150mmは接写リングの筒にコーナーが干渉してコーナーが蹴られそう、そしてさらに50mm超広角専用と考えたために
レンズに固定あおりを付けて3mmライズした状態なので150mmの時には空側の左右が蹴られるかも知れません。

それよりも何よりも、小型軽量を第一に考えたためにホースマンの引き蓋を撤去してしまっていたのでした。
つまりレンズ交換はフィルムが装填されていたら一駒捨てないと不可能なのであります。
120フィルム1本で8駒しか撮影できないのに一駒捨てるのは無駄な話ですね。
どうしてもレンズ交換したかったら小さな暗袋を用意しておくことです。

交換レンズ群


50mmワイドレンズ装着(まだ距離計カバーが付いていない)。
50mmレンズ用レリーズはレンズ右下のカバー内で90度90度ベルクランクを作って横向きに出しています。

グリップもつけないロールホルダーとレンジファインダー部 1000gr
グリップ 250gr
50mmレンズ 650gr
100mmレンズ 480gr
150mmレンズ 540gr
標準時(100mm)重量 1730gr



50mmの時の接眼部。



100mmの時の接眼部のズーミング。



正常な接眼部の位置。



少し右側に移動しながらライズした接眼部。
これでパララックス補正をします。


ファインダーにリンホフテヒニカの超高級なものを使っておりますので50mmの広角レンズでも1眼式距離計で使えます。
ただし、リンホフは53mmまでしかレンズを用意しなかったようでファインダーの視野率は80〜90%しかありません。
100mmレンズを使う時にはアイピース側を後方にズーミングすればちょうど100mmの視野になります。
おまけに接眼レンズは斜め上方にスイングしてパララックスを補正できます。
なお150mmの時にはファインダーの前に窓を切りぬいたマスクプレートを使います。


で、距離計の精度チェックなどの試写。

これは50mmレンズ、カメラをさかさまにしてレンズをフォール(下に平行移動)して撮影しているので
俯瞰した垂直線が平行に近く見える効果(この時にはまだ距離計は付いていません)。
なお、69での50oレンズは35mm版22mm相当の広角レンズとなります。



100mmレンズで左から3匹目の猫ちゃんにレンジファインダーを合わせています(f;3.5=開放)。
ネコちゃんたちはカメラに対して100mmずつ前後しています。



50oレンズで左から3番目の猫ちゃんを狙っています。(f:開放=6.3)



最後に100レンズでの無限大。
END
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