4×5 2眼レフ(TLR)3号機の製作
   2003年末からスタート

手作りカメラ仲間の方からウィスタのシノゴカメラ(証明写真用のような気がします)を2眼にしたいけれどもビューレンズ周りの工作を教えてほしいとのことでお預かりしました。
光路図を描いてみたのですがどうも図面は苦手で自分では理解出来ても人に説明できる図面は難しいものです。

それに、専門的な知識や技術があるわけではないし試行錯誤で加工しながら手直しをしていく性質ですのでついに全部品をお預かりしてキット化してお返しすることにしました。

1,2号機のように蛇腹折り畳みではないのでいさぎよく上下のレンズ板を1枚にします。
オーナー様のご希望でメインレンズはプラナー135mm、f:3.5 の豪華版ですがほかの機材でもお使いになると言うことでリンホフボードを装着したまま脱着する方式です。
リンホフボードにこだわらなければビューレンズとテイクレンズの間は75mm〜80mmまで近接できてパララックスの発生をかなり緩和出来ます。
ちなみにローライなどの66判はレンズ簡約50mmです。
67-2眼レフのコニオメガフレックスは67サイズでレンズ間隔は70mmですからシノゴでレボルビングまで可能で90mmは優秀なほうではないかと自負しています。


左はお預かりした機材。
右に霞んでいるのはシノゴ1号機。
ただ、単にパーツを立ててみただけです(ピントグラスは小さなボトルに乗せているだけ)

いい加減な光路図ではあります。
これを見ても誰も理解出来ないと思いますが加工開始のベルを鳴らす能力はあります。


ウイスタの額の部分をばっさりと切り取りました。
ココにミラーが挿入されます。


とりあえずミラーの変わりに紙を差し込んで1号機との比較。
かなり小さく感じられますね。期待が膨らみます。


ミラー受けを真鍮板で加工してピントグラスを仮付けしてみたところです。
ピントグラス周りはとよの物をお預かりしていますので周辺を切り詰めました。


レンズが変わる可能性がありますのでピントの微調整をやりやすいようにイージーな微動機構を考えてみました。
プラスドライバーで簡単にビューとテイクの間の補正を行えます。
ただしレンズ交換と言っても基本は公称135mmのレンズで、個々のばらつきの微調整を目的としています。


撮影側の蛇腹もオリジナルのサイズではビュー側と干渉しますので作りかえることとなりました。
ビュー側の蛇腹は簿デー側が傾斜していますのでこの写真では右側、下になる部分の段がひとつ多くなっています。
材料は子羊の皮(ヤンピー)ですからオリジナルの偽皮より上等になりました。


ビューレンズの左側はハレーションを起こしたのでごまかしています。
割り引いてごらんください。
ビューレンズも小さなボードを介してレンズボードにくっつけることにしました。
これで、上下どちらのレンズも自由にメンテナンスや交換が出来ると言うものです。
実はビューレンズを3mm前進させてピントグラスの位置を3mm下げたかったのが最大の目的です。
こうすることで、ピント微調整の最適ポイントがミラーの前後中央に来て具合がいいのです。
(レンズ交換時のピント位置の調整範囲が偏らない)
副産物として、ビューレンズは10mmほど上下にシフト可能となり、パララックス補正が固定式ながらも任意の位置に調整できることになりました。
つまり、たとえば1,5mでパララックスをゼロとするとか2mでゼロとするかを調節出来ます。
このようなパララックス調整は無限大側では当然のことながら空の部分がピントグラスの画像よりも広く写るわけです。
また、最短の1mとかになるとまたもや頭切れが発生することになります。


如何でしょうか?手前にあるのは反対側の側壁をはずしたものです。
小さなアルミLアングルを加工して作りました。
(コの字の物をフライスで削り取って6×9mmのLアングルにしました〜)
ビューBOXはマホガニーを使って見ました。前後のプレートがかなり変な形をしているのでどうなることかと心配しましたがなんとか・・・
これで、2mmビス4本を緩めると自在に取り外し出来ます。

近代的なカメラにマホガニーの木製・・・なんとなくいつもの古典カメラ風になってしまいますね。

ここはオーナー様がトカゲ側でも貼って仕上げをされるのでしょう。
もう一息でアルマイト加工に出せそうです。
アルマイトが終わらないと蛇腹が固定できないのです。


やっとアルマイト加工に出しました。1週間ほど待ち時間がありますのでマホガニーを漆塗装しました。
こうしておかないと皮を貼るにしても地肌をいためますので。
それと、フードにルーペ兼用のブラックボックスを試作してみました。
ルーペにはアクリルの虫眼鏡を使いましたがここは100円ショップの双眼鏡の対物レンズのほうがいいかもしれません。
なぜならば虫眼鏡は両凸で画面が歪んで見えます、その点双眼鏡のレンズは平凸なのでひずみが小さいのです。
手持ち、100円ショップの双眼鏡のレンズは焦点距離が長くてこのフードには使えませんでした。
確かもう少し焦点距離の短いものがあったと思いますが・・・
黒い板は額縁の額装に使うマットの切れ端ですから加工も簡単な代わりに壊れやすいですね。
あくまでも試作であります。

ぼちぼちミラーも切断してミラー保持金具を作らないといけません。


今日、予定よりも早くアルマイト加工が完成しました。
早速仮組みしました。

正面です。


マホガニーの色が実物とはかなり違いますがここは後日革張りになっる予定のところですから割り引いてください。


向きを変えてもう1枚。フードの上部、ルーペ付近は試作仮組みですので仮止めしているだけです。


もうひとつおまけに真横から見たところです。

TOPへ戻る