リトレックにコンゴー90mmf:4.5を装着。

                                                                          2004/8/8


 中版国産カメラ「リトレック:僕のは輸出ブランドでOPTIKA」には最短92mmまでのレンズが用意されていました。
この手のカメラはミラー跳ね上げ機構の都合で短焦点のレンズはミラーと干渉する問題点を抱えています。
このリトレックもミラー上昇時にミラー支点が後退してなるべく広角系のレンズに対応できるように工夫されていますが・・・
 しかし、メーカーの努力もそれまで、最短レンズは92mmまでとなっています。

 さて、今年の春上京した折に仕入れた新品の90mmコンゴーレンズが2個使い道もなく遊んでしまっていました。
このレンズ、よく見るとシャッターはない、固定ネジはL39・・・どうも引伸ばし機のレンズとして設計されたものかもしれません。
ちなみに、現行のコンゴーの規格表からは外されています。

先日マミヤのピントフードを付けたので非常に使い勝手のよくなったリトレックことOPTIKAにこのレンズを当てがうとミラー上昇時に
レンズ後部が当たるとも当たらないとも微妙な感じです。
メーカーさんが92mmまでで逃げたところを見ると危険度は大きいですが敢えて90mmで挑戦して見るのがアマチュア精神と云うものです。

裸のレンズを手であてがって見るだけではラチがあきませんので真鍮板で工作を進めて見ました。
内部のレンズボードが来そうな位置に構造物があるのでレンズボードはそこを逃げないといけません。



材量は真鍮なのですが酸性フラックスと熱の印加でまるで銅のような色になってしまいました。
右側がカメラの上部になりますが構造物を逃げるために変形させています。



ラッカースプレーをかけてレンズを装着するとこの通りあまり見苦しいものではありません。
レンズ最前面がフランジ面から2mmほどしか出ていないので絞りの調整は難しそうです。

そうそう、レンズの固定ネジがついていなかったのであります。つまりいよいよ引伸ばしレンズくさいですね。
固定ネジは・・・暗室にいくつもある引伸ばし機レンズのケースの底に保管のために切ってあるネジを切り取りました。

早速の試写ですが画像のレベル調整以外は一切加工していません
フイルムはAGFA APX ASA100 D76 秘伝のタレ方式
フイルムからのスキャンです。



一番問題の無限大がちゃんと実用になるか?
つまり、近距離側ですとボードは繰り出されるので何事もないわけです。
トラブルは無限大側で発生するのです。
実はこの写真、フイルム給送の設定ミスでサイズ6×7ではなく右側が10mm近く欠けたものです。



多分、110(ワンテン)サイズぐらいから?部分拡大。



なぜか転がり込んできた初代スーパーカブ。



絞り開放、最長に繰り出した至近距離撮影です。
レンズ先端から300mmほど離れています。



絞り、f:11




庭の植え込み




ライカとオペマ




右側の物が僕のパソコン。
窓際に伸びた朝顔のツルです。
これも拡大すると葉脈がよく写されています。

有名ブランドの影で小さくなっているコンゴー、
じつは素晴らしいレンズだと再認識しました。

END
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