熊本県玉名郡和水(ナゴミ)の菅原神社
(鶯原神社とも呼ぶらしい)
2011/01/08

福岡県を高速道で南下して最初のインターチェンジが「菊水インターチェンジ」です。
町名変更で和水町(ナゴミマチ)と変わりました。
このあたり一帯は古墳等の古い遺蹟がひしめくように連なっている菊池川流域の肥沃な場所です。
写真の友人からの便りの中に、狛犬と人が一緒になったのが・・・との情報がありましたのでさっそく訪れてみました。

菊水インターを降りて県道16号線を2kmほど南下すれば「道の駅 きくすい」が菊池川河畔にあり、
お隣が日本最古と称される長文の銘を象嵌した太刀などが発掘された国指定史跡「江田船山古墳」を筆頭に大小の古墳が連なっています。
この江田船山古墳から東側に位置する丘陵の連なりの中に長さ500m弱の「トンカラリン」という遺構があります。
トンカラリンの詳細は未だに特定されていませんが山襞の谷を縫ってときには高さ7mにも達する幅の狭いトンネルや
人間がやっと這い上れる四角に石をくり抜いたトンネルなどで連なった未だに解析されていない遺構です。
トンカラリンについてはずいぶん以前に一度潜入してその怖さには懲りていますのでご希望の方は下のURLをどうぞ。

http://inoues.net/ruins/tonkararin.html へのリンク

さてそのトンカラリンの最上部の終点すぐ上にあるのが「菅原神社」です。



菅原道真を祭ってありますのでお決まりののんびりした牛さんが2頭寝そべっているのですが鳥居の後側でしてこの位置では見えません、
手前の狛犬と鳥居のすぐ後ろの灯篭の上に、これまた小さな狛犬風の石像が一対。



狛犬の台座には
「この臺石以下協議に依り先築を全廃志て今般村方により改築ス 明治四十一年十月」と書いてあるようです。
103年前に台座を作り変えたのですから狛犬自体はかなり時代を遡るのでしょう。



左の吽 頭巾を被った女性、あるいはおかっぱの童女?はたまたあご髭のある方のようでもあり、
この時代は女性が表だって出るようなことは考えにくいので仙人とか行者かな?
しかし次の灯篭の上にはおっぱいを出した女性もいますしね。
狛犬の前には戯れる子犬が2匹



あらあら阿さんは・・・
裕福な身なりの方ですね。きっと強欲な分限者かな?



右手はパーの字に広げて頭を齧られていらっしゃる。



狛犬に組み敷かれた方の右足ですが足袋を履いているようです、指先を折り曲げて痛そうです(この1枚はデジカメです)。



左の灯篭の上には鉢巻きをして赤ん坊に授乳している女性、高い所なので乗っているのは狛犬か龍か鯱か良く判りません。
こちらは明治十一年十一月の銘



右側は大きな花(多分蓮の花のようですが葉っぱは笹のように見えますので空想の花でしょうか)
石灯籠そのものも立派な作りです。

なお2010年1月に書き込んだ大牟田の狛犬(大牟田の石工3)とは直線距離にして10kmも離れていませんが
デザイン的に多少近い感じがしますが櫟野の石工の作ではないようです。
なんだか修身科の教科書の様な石像たちでした。

TOPへ戻る