ニコンSP 標準レンズ50mm・f:1.4の修理

親しい方の青年時代からの愛機ニコンSPですが、いつの頃からか50mmレンズの具合がおかしいとのお話。
拝見しますと内側の爪で引っ掛ける、その爪が折損しています。

この部分はレンズのバヨネットマウント部材の真鍮を削りだす際に一体加工をされていて、
折れた部分の面積は僅か幅3.4mm厚さ0.9mmしかありません。
この面積の部位に別の真鍮板をあてがって半田付けしてもすぐに千切れます。
とりあえずレンズに無理なストレスを掛けてはいけないのでバヨネット部を取り外すことにして
CRCとオイルを塗ること丸2日ほどでやっと後ろの止めネジが緩みました。


手元にあったコンタックスのレンズと比較してみますと、コンタックスは2,5mmほどの爪がありますが
ニコンのほうにはベース部分に引きちぎった0.3mmほどの痕跡が残っているだけです。



あまり高温で熱歪みを起こしても困るので半田付け工作をすることにしますが紛失した部分に半田で継ぎ足しても
すぐに千切れるのは目に見えていますのでバヨネット部に横5mm、縦2mmで深さ1.5mmの穴を抉りました。
其処にクランプバイス出掴んでいる真鍮片を加工したものをきっちりと埋め込んで半田付けします。
こうすることでオリジナルの強度と変わらない強度の爪を植え込むことが出来ます。

物が小さいので(最大寸法5×2×4mm)加工中に3度も下に取り落としてその都度懐中電灯で探す騒ぎでした。



左が加工完了のニコン、右がコンタックス
あまり格好良くは有りませんが機能的には完全になりました。


真鍮そのものの色の爪が見えますか?
格調高いニコンSPには申し訳ありませんがあとで銀色塗装でもしましょうか。



試写です、f:1.4開放 1/30 プレスト400 D76(自家調合) 約1.2m



左の電柱にフォーカス。
f:5.6 1/125

END

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