BRILLANT(Voigtlander)とFOKAFLEX(FOKAR2=Czechoslovakia)

1930年代に発売されたフォクトレンダーのブリラント(フォーカシングではない)とフォカフレックスを眺めていると
いくつかの共通点がありますので比較してみたくなりました。
比較するボデーはお互いにファインだーが反射式鏡玉とでもいうべきか、
水晶玉みたいな明るいファインダーですがピントあわせは出来ない構造です。
それともうひとつの共通点はフィルム圧板が平板ではなくアールのついた緩やかな圧板で
フィルムゲートの両サイドを押さえて中央部は後方に逃げています。
つまりフィルムのカールを利用した曲面感光面とでも言うのか安物レンズの球面収差を解消する構造です。

ブリラントはベークボデーも出ていますがここにあるのは鉄板プレス、フォカ2はベークライトです。
レンズもブリラントはアナスチグマット・スコパーf:4.5〜f:25前玉回転方式で1m〜∞まで距離設定が可能。
フォカ2のレンズはラピッドレクチリニヤー(RR)でf:8とf:16の2段切り替え距離設定は不可能。

ブリラントのシャッターはコンパーのT・B・1〜300としっかりした物ですが
フォカ2のシャッターはB・1/25〜100です。

フィルム室はブリラントはスタートは赤窓で確認して後はカウンターの数値にあわせて巻きますが
ストッパーはなくズルズル回るので下手な巻き方をすると隣と重なったりしかねません。
また赤窓は完全遮光で完成度が高いのですがこの時代のフィルムには6×6用の印刷が無かったのでしょうね
6×9の1駒目で合わせる方式ですからあとのカウントでは役に立ちません。
フォカ2のカウンターは裏窓方式で開閉スライドがついていますが太陽に背を向けて
手早くカウンター窓を開閉してもちゃんと光線を曳きます。




ファインダー、明るいのですがあっちが写りますという程度のものです。


カーブを持たせた圧板左がフォカ2 右はブリラント。


左がブリラントでフィルムの通路は割りとテンションがかかって平面度が出やすい構造。
フォカ2は供給側から巻取りまで非常に緩々で積極的にアールを出す配慮?


ブリラントの∞位置での開放に近い画像ですが圧板がカーブしていて無限大が出ません。


レンズはスコパーですからフィルム面は平面でいいはずと思いますがピント面にスリガラスをあてがって
観察してみるとオーバーインフになってしまいます。
そこで完全平面で押すと拙いので少しあと押ししてやろうとステンレス薄板を
20mm巾ほど中央にあてがって軽く前に押し出してみました。

 フォカ2のレンズはメニスカス2枚対象型かと思っていたのですが2群4枚のPPレンズのようです。
つまりテッサーが発明される前までは暗いが良好なレンズと言うことで羽振りを利かせていたレンズの型式です。

レーザーを当てると右側に3個の連続した点が見えます。
右は表面反射、中央がバルサム張り合わせ面、左がレンズ裏側の境界面反射です。
離れて見えるのは別の面での反射光ですから無視しましょう。



以下 500ドットサイズの画像を左右2個並べますのでモニターの横の解像度を1024以上にしてご覧ください。
1024未満ですと画像が縦一列になると思いますがその場合は先に出るほうがフォカ2の画像です。
 
                     フォカ2                                              ブリラント


 
                  フォカ2                                                  ブリラント

 
                 フォカ2                                                     ブリラント


 
                    フォカ2                                                  ブリラント

フォカ2は3mほどのところが一番合焦するようですが絞りが暗いのとRRの被写界深度の深さがいい画像を作ってくれるようです。
一方、ブリラントは焦点を設定できる利点とスコパーの特性でコントラストも悪くありませんがフォカ2のRRはかなり頑張っていると思います。


これはブリラント

END

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