マーシャルプレスのレストア
2004/06/11
マーシャルプレスはマミヤの創始者 間宮さんが別にこのカメラを作るために設立された「マーシャル光機」で
製造発売されたようです。
この6×9のプレスカメラはニコンの105mm、f:3.5レンズを標準としてコンバーターレンズを付けることによって
135mm、150mmと焦点距離を替える事が出来、ファインダーもズーム式に3焦点でピントと視野が変わる
優れものでした。
私はコンバーターレンズも含めたセットを所有していますが、もう1台うす汚れて壊れたのがばらした状態で
長く転がっていましたのでレストアして見る事にしました。
汚いですが、レンズとシャッターだけは抜群に正常です。
壊れている一番重症なところはボデー後方のダイヤルでヘリコイドの調整をするギヤがウオームギヤとなって
このウオームと接続するベークライトのホイールギヤがぼろぼろになっているのです。
其処でベークライトを1mm薄く削って1mmの真鍮板をエポキシで接着します。
ベークライトにはエポキシは効果がありませんが2,3mmの止めネジで2箇所締め付けますので大丈夫です。
ヤスリで歯車の形状を仕上げて組み込んで見たところです。
ここで問題が発生しました。
ホイールには厚みがありウオームの形になぞった形状ですがここは1mmの接線しか無いわけです。
あらゆる所のバックラッシュを改善するためにオリジナルの状態ではレンズボードが強力なバネで
フイルム側にひっぱられています。
そのためにベークライトのギヤが痛みやすい欠点もあるわけです。
レンズボードを強力に後方にひきつける動力となっているのが、この底蓋の中に隠された
(A)の巻きスプリングでここではネジのように見えますが中に6mmのシャフトが通っていて
軸を一方に引き寄せていますのでこれを外してフリーにします。
僕の実験ではテンションを逆に、つまりレンズボードが前進するほうにトルクをかけたほうが
スムーズに行きましたので。(B)の引っ張りスプリング2本(1本では力不足)でボードを押す方向に
設計変更しました。
この歯車がヘリコイドを駆動するギヤですが中心の丸い真鍮の渦巻状のパーツが
3焦点のレンズに対応したヘリコイド量を調整する、凝った構造です。
しかし、コンバーターレンズなど先ず入手するのは困難と思いますのでこれが為に
不具合が出ないように105mm専用にパーツを抜き取ります。
全体のストロークは別のところで動きを規制して∞から0.6mまでを撮影範囲としました。
クランク状に見える白っぽい横に走る金具はボデーシャッターを本体の中を一回りして
レリーズするリンク金具です。
それと、レンジファインダーのハーフミラーが抜けています。
これは5cm×6cmもあるような巨大なハーフミラーです、市販のハーフミラーで50mm角の
物を使うか、ポリカーボネートのハーフミラー(透過:反射率が1;1でないので暗い)を
使うか、あるいは現在のハーフミラーを完全に素通しにして其処に中央をカバーするサイズのあり合わせ
ハーフミラーの少し小さいのを使うか・・・??