Sanderson
31/4×41/4

2023 07-04


イギリス製のカメラで31/4 ×41/4サイズのほか3通りほどほどあったようで

このカメラが一番小さなサイズだったそうです。

Regular Deluxe Junior 3通りのバージョンがありました。資料などから推測してRegularではないかと思います。

 ご覧の通り、非常に丁寧な造りで蛇腹なども上品な赤革ですしDELUXEなのかもしれません。

 更にTropicalモデルは総マホガニー製の普通の人には手の届かない工芸品もありました。

 さてレンズはDaggerとかAldisBeckなどのほか、ユーザーが選定して付けたものなどがあるそうで

私の手元にあるレンズは Carl Zeiss Protar 1:8 167oです。 




シャッターはBAUSCHLOMB T B 1 1/2 1/5 1/25 1/25 1/50 1/100です。

最初からこれが壊れていて手間が掛かりました。
このシャッターに大きな問題がありました。

 それはまだシャッター羽根がスチール製などではなくエボナイトで作られていたため、

経年変化で劣化していて想像ですが日の当たるカメラ店に長く置かれていたのか、
いま見える平面のシャッター羽根が貝殻状・お皿のように反り返っていて動くどころか
解体し始めたらパリパリと手で触れただけで崩れてしまいました。

 その内側に隠れていた10枚の絞り羽根はエボナイト製ながら
シャッターの陰にあったため光線の被害が無く、現在も無傷で元気です。

 僕はパスポート用のポラロイドカメラの大きなシャッター幕からハサミで切り出して製作しました。
大きな円弧を描いた三日月の縁は6〜7o毎に直線を繋いで疑似円弧ですが下手なハサミ作業の痕跡です。
エボナイトは0.2mm位の厚みでしたが僕の作ったシャッター素材は0.1oの燐青銅で現代のシャッターはスチール0.05oぐらいでしょう。
絞り羽根が少し覗いています、エボナイトです

シャッターの外観について説明します。左右2個のシリンダーが特徴ですが

左側はシャッターレリーズ用ゴムポンプ操作用シリンダーです。右はスローシャッターの時間制御用です。

連写は出来ませんが意外と精度は宜しいようで、
レリーズするときに写真の先達から教えていただいた。{声を出して!」 
1秒は 「おじい〜さん」 1/2は「おばさん」 
という速度 (間違っていたらごめんなさい)とぴったりです。


今回やっとピントグラスを造りました。


これまでちょっと気力不足でピントグラスを作っていなかったのでジャンク箱の隅をつついて
サンダーソンよりも12o程上下寸法の広いピントグラスが出てきましたので片側6oずつフライスで削ってスライドレール部に3oのアルミ板を固定し
レールガイド部は2,4o程にフライス加工しました。組み立てたのち120フィルムの69窓と同じ位置にマスクが来るように工作しました。

TOKON69 ホルダーとファインダー(むかし作った部分) 右横スライド脱着です。



今回はフィルムパッケージとサッと差し替えできるピントグラスをジャンク箱から引っ張り出して造りました。
左右幅はほとんどそのまま、上下を6oずつ程フライスで削って、3oのアルミ板のベースガイドのレール部分は25o厚さに調整。


古いガラスをそのまま利用する不精、ルーペを当てた擦り傷だらけです。


 

 

 

 

 

 

 

 

マイクロメーターでフィルム面を計測して左側ピントグラスの面あわせ完了しました。
後の赤いのはデプス・ゲージの収納容器です。0〜4インチまで計測できます。



オマケにレンズボードを引っ込めてみた木ネジ、120年の年月で多少は狂っていますがドライバーの位置がほとんど水平

右下はオリジナルレンズの距離表示の象牙の目盛板、その左上が僕の手描き目盛板。
僕の3mの下にナイフ傷をつけてある目印はプロターを使ったオーナーの目印で左側に見える切り傷が∞  うっすらとした傷が10mでしょう

 

 END

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