マリオン・ソホの整備

あまりにもみすぼらしいマリオン・ソホがころがりこんできました。s
モロッコ皮の下のチーク材は風化したのかぼろぼろと崩れかろうじて外皮で繋がっています。
修理と言ってもどう手を付けたものかと思案しながらショックレスで有名なミラーアップ機構を調べて見ました。
意外にも内部機構はまだ使えそうな状態です。
当然ミラーも素抜け、シャッター幕も固着してバリバリに固まっています。


 
左手の床に落ちている黒い粉末に御注意。止め処もなく黒い粉と白いカビが・・・


 
内部のギアや機構は手入れをすればなんとかなりそう。


 
ミラーボックスは反対側にエアーシリンダーがあり
ミラーが最上部に上がった時点でバンパーとなってショックを和らげます。
さらにミラーの支点は上昇中50%の時に後方に15mmほど後退します。
0%と100%の位置では定位置に前進しますのでイナーシャを殺すと同時に
フランジバックの少ない広角レンズが装着できる利点もありました。

なお、幕はセルフキャッピングではなくチャージの際には開いたまま上昇しますが
上の左の写真のようにミラーが降りているときには下から遮蔽版が上がって光路を塞いでいます。


 
腐った木材は切り捨てて新しい木材(マホガニー)を継ぎたします。
白く見えるところはほとんど新しいマホガニーです。
オリジナルのチークよりも高級な感じにならないかと期待しています。
金属はほとんど真鍮に塗装仕上げですが塗料も落として磨き、バフ仕上げにします。
小さいビスの頭も磨くので大変です。

もちろん皮を張る技術はありませんので木目模様を生かしたトロピカル仕上げになります。


外部の金属も全て磨いてバフ仕上げ蛇腹は赤いビニールレザー。
塗装は漆仕上げとしました。ピントフードの木材はオリジナルのままです。
 
バックにはマミヤ67のロールホルダーを付けました。
レンズはLoss Xpres を付けています(ボードはフレームマットの紙)

過日 門司港レトロで試写。

大道芸


レンガ作りの建物、この建物が出現した時代とカメラの誕生期が重なるような気がします。