Luna meters製作記
2013/10/17


100円ショップで壁掛け水晶時計を売っているのですね。
良いのに出会うとひと月に10秒以内の誤差などという幸運に恵まれることがあります。
それをキッチンの一角に据え付けていたのですが固定の仕方が悪くて落下、即廃棄命令が発令されました。

せっかく正確に動いていた機械なので捨てるには忍びない、かといって家じゅう時計だらけだし・・・

そうだ!先月の中秋の名月をうっかり失念していた!
腕時計のムーンフェイズタイプもほしかったけどこの歳になるまで現物を見るチャンスもなかった。

では月齢計を作ってみようか、月は何日でワンサイクルするんだろう?
ゲッ、29.3日だって?ちょっと半端なサイクルだなぁ。
時計は12時間計だから1日に2回転しますから58枚の歯車で減速すれば1サイクル29日となります。
0.3日の誤差は2ヶ月に一度手で補正してあげよう。



工作機械の割出盤(正確な名前は知りません)で計算通りに角度が割り出せるか、
画用紙で試験をしました。



回転盤にはジャンクのCDを使ってみましょう。
オーロラのように見えなくもない、ホログラムのように虹が走って格好いいぞ。




話はとんとんと進みまして時計の時針の先にピアノ線を伸ばしてこのメカニズムを駆動します。
時計の時針は強いトルクを持っていますがシャフトと針の間のスリップが起きるのでちょいと加工をしたりしました。

下の丸い軸受けが12時間ごとに左回りに30度ほど駆動されます。
その右側に蕨のように長く伸びているのはバランスウエイトで丸めていたのを伸ばしていくと自重で右に回ろうとします。
それを12時の位置に来た時針が蹴っていくのです。
軸受けから上に伸びたステンレスワイヤーは左側に作用し上段のスラストカムを左に送ります。
スラストカムも蕨を一個付けていてスラスト軸の右側に下向きのモーメントを発生しています。

この
ワラビのメカニズムは弱いスプリングなどよりとても素直で伸縮によって自在に負荷を変えれるのです。
暗いですが少し左上側にラチェットの逆止爪をリン青銅板で配置しています。



待機状態
作動状態
写真を2枚並べてみました。




出来上がりです。
ワラビが2個動くさまは緩慢ですが最後にパッと離れるのが面白いので外から見れるようにしました。




Luna metersだけの拡大。

月は金箔があったので純金です(鋏の使い方が下手だと外野席が言っていますが気にしない)
月の影を作る青いリンゴも画用紙に絵具を下手に塗ったので斑があります。
影の形はこれから実測しながらチューニングしないといけないでしょう。




1日に2回の動作ですがたのしいですよ。


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