Round Eye RF45
シノゴRF自在平行アオリハンドカメラ
目が回るカメラと思われそうなカメラですがレンズがグルグルとシフト可能で、
広角カメラながらひずみの少ない写真が撮影できる工夫をしてみた距離計連動ハンドカメラです。
ゴナナカメラに使えるイメージサークルを持つWOLLENSAK 31/2”(90mm) f:6.8 RAPTAR WIDE ANGLE
と言うレンズを提供してくださる篤志家が現れました。
さて、ご期待に沿うような面白いものを工夫しようと考えましたが前回矢張りWIDE ANGLE DAGOR 90mmで57を
その篤志家さまに製作して差し上げていて、イメージサークルは限界に近いことを知りましたし
何よりもモノクロのゴナナは日本ではとっくに姿を消していますのでフィルムの供給不安からシノゴにすることにしました。
そうなるとイメージサークルは充分ですからライズ・フォール自在なカメラが作れることになります。
そして、以前別の写真仲間から頂いたPOLAROID MINIPORTRAITというパスポートカメラを思い出しました。
これはポラロイド社がカンボに作らせた4駒撮影のアルミダイキャストのごついカメラです。
その友人は世界中を渡り歩き、アフリカだか中東だかで沢山このカメラを買い込み
リュックサックに詰め込んで砂漠を越えて持ち帰ったと言う冒険話を聞いたような気がします。
その友人はその後、車で追突をされその事故で髄液が全部抜けてしまうという悪夢のような気の毒な目にあっています。
しかし昨年秋には中南米方面に旅行をし、例のアメリカを襲ったRITAかWILMAのどちらかのハリケーンに巻き込まれ
一時連絡が取れなくなった不屈のチャレンジ精神を持った冒険家であります。
さて、このパスポートカメラは4つのレンズを有するもので重たくてそのままではどうにも使い勝手が悪いので
折角頂きながらもてあましていたと言うのが本音のところです。
左側がオリジナル、右が加工開始した機体、つまりボデーは複数いただいています。
胴が長すぎるので一旦前後を切断して(前も後方も短縮)います。
レンズやシャッター機構部分は完全に取り払います。」
エー、ここで何を企んでいるかが見えてきています。
レンズボードは中央から横に最大15mmまで自由に移動できる構造です。
それとグリップがオリジナルでは向かって左についているものですが素っ気無いのとシャッターレリーズを
左手操作にしたかったので向かって右のグリップをつけました。
あとでオリジナルグリップは切り捨てます。
左のグリップは切り捨てられてレンズは中央に位置しています。
ヘリコイドを前後させる機構はオリジナルでは左手動作から右手操作に変更しています。
35mmフィルムフォーマットで多分23mm相当の広角レンズに相当しますので距離計は2眼式とします。
そうしないと距離計の精度が出ません。
距離計の連動範囲は1.2m〜無限大までで等倍距離計ですから視認性はなかなかです。
中央にファインダーを置いていますが広角にするために
今までに分解した大型カメラ(証明写真用)のレンズをいろいろ組み合わせて合成しました。
ファインダーカバーはちょいと複雑な感じになりそうなので真鍮板で半田付け加工で製作してみました。
これが一番大変だったような気もしますね。
webで知り合った塗装専門家の友人からスプレー式のプライマーを教えていただいたので
早速使ってみましたら、今までのペイントよりはかなり違う強い密着力を得ることが出来ました(深く感謝)。
オット、これはファインダーブロックでオリジナルはカールツアイスにポラロイド社が作らせた
ポラロイドカメラ用の距離計の一部を流用しています。
オリジナルのファインダーブロックの前方に大きな凹レンズをあてがい、後方に丁度焦点の合う凸レンズをつけています。
このブロックの横には空間があり距離計の光路が突き抜けます。
そして、このブロックには完全ではありませんがパララックス補正機能もつけてました。
実はレンズボードは眞円で回転できるようにしました。
それとスライド可能のサブレンズボード(真鍮)はこの写真では右に15mmシフトできます。
シフトする時に表のメイン・アルミレンズボードの横長穴を塞がねばならないので
いま黒く見えている0.1mmのスチール版が移動しながら自在についてまわり自動的に遮光しています。
ラックピニオンで伸縮するボデーの部分は蛇腹機構ですが破れがいくつもあるので張り替えることにしました。
円形蛇腹(実は8角蛇腹)は作ったことが無いので少し不安でしたが壊れた蛇腹の矢紙を利用したら
何のことはなく完成しました、黒いヤンピーが無くなっていたのでチョコレート色のヤンピー(子羊の革)を使いました。
一応完成したカメラ、レンズは中央に位置しています。
ちょっと斜めから見たところです。
左は向かって左にシフトしています、そのまま円形レンズボードを左回り90度回転すると右の写真では下側にフォールですね。
つまり中心から最大15mmまでのシフト、さらに全方向に自由に回転することが出来ます。
厳密には後ろのフィルム部をピントグラスに置き換えてシフト画像の確認をして撮影すべきですが
エンド15mmでの移動がどうなるのかを頭に入れておけばある程度山勘撮影でも手軽にシフトを使えます。
つまらない試写ですがモノクロはブローニーフィルムを使ったパノラマ
6×12cm、このロールホルダーは中国製の無骨いホルダーですが66、69、612と使い分けできて
シノゴカメラの国際規格相当品です。
これまた、別の篤志家さまから頂戴いたしました。
何でもかんでも頂き物で遊ばせていただく果報者です。
この場所をお借りしまして皆さまに厚くお礼を申し上げます。
展望台部分が100mだったと思う福岡タワーです。
僅かに雨がぱらつく夕暮れレンズを15mmライズしてファインダー内では展望階がやっと見えるかどうかだったかな?
上部がすぼまることなく(アンテナはちょん切れましたが)写りますね。
こういうのが車を止めてさっと手持ち撮影できるのは嬉しいなぁ(自画自賛)。
博多リバーレーンの外部階段、
これは目一杯フォールさせて撮ったと思います。
これはポラロイド写真シノゴです。
モノクロ2枚目の階段は画面左隅っこ上部から斜めに下りている階段です。
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END