Polaroid 180 Land Cameraをベースに612サイズ可変パノラマカメラ
蛇腹式でコンパクトに折り畳めるカメラですがこのスタイルでいろいろなバリエーションのものが発売されました。
この180型の特徴はTominon114mm/4.5というテッサータイプながら高性能の富岡光学製のレンズが使われています。
ポラロイドフィルムも生産中止となり勿体ないのでカメラとして生かせないかと考えました。
図体が大きいのでシノゴにする方法もあるのでしょうがフルサイズにするには蛇腹のサイズが小さいです。
そこでブローニーフィルムを使うカメラを考えてみましたが、69サイズで構成するとばかでかくて面白くない。
では612のパノラマカメラなら少し特徴的でいいかなと考えましたがパノラマばかりじゃ面白くない。
ついでに6×12・6×9・6×6などサイズが選べれば実用性も高まるかも知れませんね。
このカメラはY型に見えるタスキ金具を起こして蛇腹を伸ばし撮影状態に入り、
タスキのベース金具を左右スライドさせて焦点距離を1,2m〜無限大まで移動調整し、距離計も連動します。
ところがオリジナルのフィルム位置にブローニーフィルムの面を合わせるのは不可能に近い話です。
今回マミヤのS字型69ロールホルダーの懐を広げて6×12の窓を開けます。
そしてポラロイドカメラにあてがうのですがこのホルダーは全体グニャッと曲がっていてポラロイド側とのせめぎ合いがあります。
観測の結果ブローニーフィルム面がポラロイドのフィルム位置とは約12mmバックしないと干渉します。
そこでポラロイドのヘリコイドですがこれはタスキの位置が製造時に決められていて簡単には移動できません。
その位置決めの方法が判ったので12mmバックした位置で決めれるように検討します。
実はポラロイドのタスキ機構はすべて本体にかしめて作ってあり、一度分解すると復元は不可能に近いです。
そこでタスキの位置決めをドリル加工で一か八か決めてみることにします。
微調整はポラボデーとマミヤのホルダー間にあてがうスペーサーの位置の微調整で行うことにします。
まぁ面白くもない話ですのでこの辺りは端折ってすっ飛ばします。
タスキの固定位置が変わったので左右スライドのヘリコイド調整レバーの操作は少しで多量のヘリコイド移動となり
距離計も同じレンズであるにもかかわらずスラストとヘリコイドの関係がまったく変わるので再調整が必要となります。
面倒くさい話はその程度にして工作した姿に行ってみましょう。
ポラロイドカメラのうしろにマミヤのホルダーをくっつけただけのぶっきらぼうですが寸法的に妙なアンバランスはありません。
距離計はカールツァイス1眼式パララックス補正つきですが
パララックスブライトフレームがオーバーサイズとなりほとんど移動しませんので
612、96,66の3サイズ ブライトフレーム固定式となりました。
レンズは富岡114mm/4.5
蛇腹位置変更のおまけでオリジナルの1.2m〜∞よりも少しスパンが変って
最短撮影距離は0.95mまで近寄ることができました、ただし距離計は最短1.1mまでしか応答しません。
畳みこんだとき
伸ばしたとき・・・オリジナル位置より12mmほどバックしてロックされています。
上から見た姿(タスキ金具はオリジナルより12mmほど縮んでいます)
全備重量は1.2kgです。
ところでファインダーはブライトフレームで6×6 6×9 と6×12が見えるようにしました。
パララックス補正は可能な構造なのですがブライトフレームの左右画角いっぱいを使うので自動補正はなく遠距離モードになったままです。
ブライトフレームの自作、
下手な拡大マンガをスキャナーで取り込み圧縮ネガポジ反転、透明シートにプリントして造ります。
真正面にリング蛍光灯を点けてファインダーを照射していますので下側は見辛いですが肉眼では見れます。
6×12の時は左右ほとんど一杯が撮影範囲です。
フレームの切り替えはマミヤの挿入遮光板の中を刳り抜くやり方ですが問題が解決していなくて
裏蓋を開いた状態でないと操作できませんが改良案はありますので撮影途中サイズ変更ができるようになるでしょう。
ただし、どのフレームで撮っていたかで途中切り替えは駒間の重なりを出したり開きすぎたり
駒送りに難点があってあまり実用性はなさそうです。
裏蓋を開いたところ、ここでは6×9のマスクがスライドで入っています。
家の前の道路工事6×12
部分拡大(コントラストを上げています)
右側の電柱部分拡大(コントラスト増強)
END
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