ピップエレキ番ーシャッター製作
実はピンホールカメラのシャッター製作を依頼されましてね。
ご注文の仕様が変わっていまして「糸で引っ張って自分を撮るの・・・それに子供が喜ぶような楽しいのがいいなぁ」
冗談じゃねぇ、そんな難しい難題を吹っかけないでくだせぇまし。と・・・ブツブツいいながら・・・
1回目引っ張ってシャッターが開き、2回目で閉じる(オルタネート動作)。
ピンホールは交換容易であること。
リンホフボードに組み付ける。
ではオーソドックスなラチェット式に円盤を引っ掛けて廻す機構から始めましたがこれが大変。
あれも駄目、これも駄目で肩が凝ってしまいました。
「お〜〜い、お母さんピップエレキバンはなかったかなぁ」
と薬箱を探していて「うん、磁石で何とかならないか?」 フフフ
早速100円ショップに行きまして強力なマグネットを発見しました。
このマグネットは金属マグネットで直径6mm、厚さが1mmほどの小さなものをアクリルに埋め込んでいます。
普通市販しているのはフェライトマグネットですよね。
2個で105円とは少々高かったのですがそのうち1個を使いました。
裏側に6mmφのマグネットが埋め込んであります。
リンホフボードに組み込んだシャッター、
これはシャッター動作前の状態です。
後方の白いものはスライド用のマスクに装填したピンホール板で横からスライド挿入します。
真っ赤な塗装は真鍮板0.3mmです。今ピンホールが見えています。
扇型の下の開口部のさらに下になにやら突起が3個見えますね。
両脇の菱形のものはNTカッターのブレードの刃物部分を潰した小片です。
中央にあるのはゴム磁石の切れ端です。
さらに左右の鉄片の裏側(真鍮板の陰)には0.5mmのプラスチック板を挟み込んでいます。
例の磁石は現在ピンホールの下、ゴム磁石の裏側に埋め込み固定しています。
上に伸びたアームを横に引っ張ると磁石の吸引力に牽引力が勝つと次の吸引鉄片と引き合って固定します。
さらに中央の「シャッター開」は確実に動作しないといけないので強く吸引させ。
両脇の「閉」は軽く動くように吸引力を調整する為に裏側に空間を作ったわけです。
これは2度目に引っ張って動作完了の状態です。
試写、サイズ4×5 ピンホール0.315mm 焦点距離、約80〜90mm
露光150秒ですが、退屈なので僕も画面に入りました。
数分間不動の姿勢は難しいです、湿版や、乾版初期の頃の昔の人は大変だったのですね。
なお、このような長時間露光ですとこのシャッターの存在意義はほとんどありません。
命名の根拠はつまらない駄洒落ですがピップエレキバンを探していて思いついたマグネット方式
さらに、レンズシャッターの規格には00番、0番、1番、3番、5番と番号が振られていますので
ピップエレキ・・・番(バン) m(__)mなさ〜〜い
END
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