ERICA PERKEO 66

2008/07/22

ブロニカSQ用ではないかと思われるフィルムホルダーを頂戴しました。
この機材は目を悪くされて写真機趣味を断念された、このホームページの隠れ愛読者の【岐阜YASU】さまからの
思い出とともに送りこまれてきた膨大な品物の中にありました。

ボデーがないし、これから先入手することことは絶無であろうと思いますので手作りカメラのボデーに使います。
このホルダーはボデー側の情報と完全自動連携で巻き上げる形式ですのでフィルムの覗窓などはありません。
自動巻き止めを利用するにはボデー側がやる操作を人間が代行すればいいのですがこれが結構しくじります。

そこで原始的なようですが裏窓から覗いて駒数合わせをやります。
ところがフィルムの情報はボデーのずーっと奥の方を読むことになり、暗くて大変なのです。
実際に夜間撮影でERICA66を使っていて大騒ぎを起こした経験があります。

そこで絶対光線漏れしない機構とLED照明で中を照らしてみるという手段を考えました。


1 緩み止めばねローラーを脇に移動して中央に10mm丸穴と真鍮パイプ挿入



2 圧板よりわずか退避した高さまで10mm真鍮パイプが顔を出します。
圧板には11mmの穴が開けられているのでここに来た外部光線は折り返されてフィルム室には入りません。
圧板は真鍮パイプとは無接触で光線をさえぎります。



3 LED照明を内蔵して完成したところ。


ここまでできたのでレンズを探索します。
前玉回転のズイコー75/4.5がありましたが少し暗いのとシャッターが最高1/150で採用断念。
トプコンの65mm中判システムカメラ用レンズ65mmがヘリコイド付きで有りますが大きく重たいのと明るさがf:7で断念。

巻き上げ機構が壊れてほったらかしのペルケオが出てきました。
1:3.5/80のカラースコパーで、前玉調整式、少し焦点距離が長いですがこれを採用に決定。



4 酷いようですがボデーを金切りばさみなどで切り取ります。
ロールホルダーのフィルム面と合わせるためにバック側のフィルム面から3mmほど前進切り取り。
蛇腹が収まるかどうか心配です。



5 定盤の上においてレンズ面との並行度計測



6 これから合体開始。



7 途中経過を省略して・・・こんな形になりました。
ファインダーも自作(最後に製作)



8 ボタンを押すとレンズが出てきます。



9 ファインダーを搭載。



10 後姿



11 おまけでファインダー工作中です。

いろんなレンズを拾ってきて貼り合わせています、1枚目の凹レンズの度数が強すぎたのですぐ後ろに
弱い凸レンズを削って四角におさめてあてがっています。
接眼レンズ部はマミヤユニバーサル用かと思われるジャンクでパララックス補正が付きます。

完成重量はファインダーも含めて710grです。
手元にあるのはパールVが625gr、マミヤシックスだとこちらの方が軽いかもしれない。
2眼レフと比べるとフレクサレットなどより軽い。

ペルケオのファインダーは非常に貧弱でしたので大きなファインダーでhigh eye pointで使えるのが利点かな?



12 ありあわせの広角ファインダーをあてがって持ち出した試写1回目。
これでまともなファインダーを作るきっかけとなりました。
右中央から下側に黒いものがありますが蛇腹の後ろ側に屑が引っ掛かっていました。
右側端っこ上から何か縦に入っているのは蛇腹の付け根とボデーの接着不良。
このように不具合点を探るのが目的の試写ですから・・・と言い訳をしておきます。



田圃道で突然のにわか雨。
農作業中の人たちも雨宿り。
(右側を少しトリミングしています)

COLOR-SCOPAR 1:3.5/80
FOMAPAN400 D76ウナギのたれ方式

END
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