クッキー缶パノラマカメラ


既に商品として楽天で販売しているクッキー缶パノラマカメラですがお値段のほうはなぜか15000円ほどもしますので自分で作ってみることにしました。

レンズはピンホール0.3mmを3個、フィルムはブローニーで画角は6×12のパノラマサイズです。
120フィルムで5駒ほど撮影できます。

一番の問題はクッキーの缶ですがこの手の丸い缶に入ったクッキーは季節商品のようで夏場は見かけませんですね。
思い立ってから待つこと3ヶ月でやっと入荷しましたので年末の大掃除の隙間を縫って約半日で完成となりましたが
非常に簡単な構造ですから思い立ったらすぐ作りましょう。


これは既に完成したカメラです。
直径約20cm弱、深さ約9.5cmのクッキーの缶です。
中身は捨てずに少しずついただきましょう。



これは蓋のうらに組み込んだメカニズムです。
缶の蓋に12mmのコンパネボードを丸く切って貼り付けますがケチって2/3半月状に切り出しました。
中央の丸い筒はフィルムのドラムですが直径60mmのエンビパイプの切れ端を長さ70mmに切ってコンパネに貼り付けています。
エンビの接着は難しいのでパイプの中に板切れを丸く切って圧入、その板とコンパネを瞬間接着剤で張りました。
急がない方は木工ボンドのほうががいいですね。
いま、中央に横一線に立っているのはフィルムを保持するアルミの押さえ板です。
これはゴムバンドで押さえることにします。




これは撮影側から見たところで、とりあえずダミーのフィルムが装填されています。
押さえのアルミ板はパーマセルテープの即席蝶番で止めています。



これはフィルム供給送出側から見たところです。
右側がフィルム供給側で左側が巻き取り側です。

巻き取り軸は5mmφの真鍮棒と内径5mmφ、外径6mmφの真鍮パイプで造りました。
つまり6mmの真鍮パイプはコンパネボードに打ち込まれ中を5mmの棒が通りますので大変スムースに回転します。

フィルムをセットしたらアルミ板の蓋をしてゴムバンドで固定します。
フィルムがたるまないようにピアノ線で簡単なフィルム軸押さえを作っていますがこれで充分です。

缶の本体には正面とその左右各60度の位置に3mmの3個の穴を開け、
其処に別に製作しておいたピンホール、直径0.3mmのものを夫々缶の内側からパーマセルテープで貼り付けます。
ピンホールは0.1mmの燐青銅版に針のように研ぎ上げたポンチで軽く疵をつけ出っ張ったところを
精密やすりですりあげ、顕微鏡で確認しながら正確な丸に近く仕上げます。

シャッターは完成写真ではシート状マグネットを表から貼り付けていますが
一番安心なのはパーマセルテープですね。


フィルムの装填はスタートマークがドラムに巻き込まれて消えるところまで巻き取ったら缶に装填し
先ずはつまみを8回転回して1枚目です。
6×12のパノラマでしたら以後3回転ごとに5枚撮影が出来ますが
隣りとラップしたエンドレスのパノラマでいいのなら2回転ごとに撮影します。

3個のシャッターはどの手順ででも構いませんので順次露光させます。
また全てのピンホールを開けるかどうかは撮影の意図によります。

0.3mmφで焦点距離が68mmありましたのでレンズの明るさは約f:226 つまりf:256と見当をつけます。




御菓子のオマケと思われる高さ3〜4cmほどの小さなお人形を15cmほど離して並べました。



床の間を写して見ました。



大晦日のひと時、ジイジはせわしなく動き回ってボケボケ、「オッ!家内」は端っこにいてもどっしりとしたものです。
これは90秒露光ですが左の人は全く動かずにでかい(*^_^*)ですねぇ。
我家の立場関係は2008年もこのような推移でありましょうなぁ。

END

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