A4サイズの巨大なデジカメを楽しみたい
A4サイズのスキャナーバックで4つ切り暗箱を活かす。
2012-1-1
昨年末友人がHPの複合プリンター特価品を入手、それがインクなしのものでインクを入手するにはそれなりの代金が必要という事で
つまり製造中止品をだまし売りされたというのが正直なところでしょう。
目の前に置いていても忌々しい限りで・・・という事か?私に始末をしてくれと送付して来た次第。
私もプリンターもスキャナーもあるし、折角だからスキャナー部分を解体腑分けしてみる気になりました。
最近のスキャナーは40mm長前後のCCD素子を内蔵し原稿の映像をミラーとレンズ系で縮小して測光するのが主流です。
もうひとつ超薄型で電源もUSBポートから供給できるポータビリティーな薄型スキャナーがあります。
CIS素子方式と呼ばれるものらしくA4原稿幅全巾を直接光ファイバーでそのまま読み取ろうというものです。
巾が20cm以上もある受光素子となると超高価なものになると心配して観察してみると何のことはない
数センチメートルの受光素子列を6個とか10個近く直列に並べていますのでこれはコストダウンできます。
頂いて調べてみたスキャナー部分がその方式でした。
折角の払い下げ品なので何か悪戯をしてからケリを付けてみようかとエイトバイテン(8×10インチ)よりさらに一回り大きな
四つ切りサイズ(10×12インチ)の組立暗箱を数年前に頂いていたのでそれにあてがってみました。
ところがこのCIS方式というのは受光素子の前に6mmほどの長さの光ファイバー列を通して原稿を読み取る仕掛けで
最初の内は真正面の光しか受光できない事に気が付かなかったというお粗末な結果で失敗に終わりました。
これがセンサー前面のファイバー列を付けたままの大失敗。
A4サイズのうち中央部分の巾4cm-高さ12cm位しか受光できていません。
そこへスキャナカメラの大先輩「YAKU]さまが助け船を出してくださいました。
YAKUさまはスキャンカメラをついに製品化にまで高めた方ですが私のようなものにも惜しみないアドバイスをくださいます。
http://d.hatena.ne.jp/YAKU/20111224#c
さて、YAKUさまにいろいろとアドバイスを頂きながらcanonのLide40というスキャナーをベースに作業を進めて行きます。
まずはCISセンサーの前にある光ファイバーのようなレンズ列は取り払います。
これで斜めの光線も無理なく受光できる事になります。
ではエイトバイテン用に組立ようかと考えたのですがスキャン画面の方が大きいので
エイトバイテンカメラ本体を改造しないといけなくなるので、一回り大きな4つ切りサイズの組立暗箱用のバックという事で製作開始します。
「受光素子の移動」
キャリブレーション用のLEDアレイ光源を取り除きCISセンサーを表面に移動させています。
左側がスキャナーの両脇に暗箱の規格に合わせた取付け爪を装着した状態。
右側の木目のケースは4つ切りの乾版を両面装着できるオリジナルのフィルムホルダー
これはフィルムではなくガラス乾板でした。
さて使う写真機は土佐のお医者様から頂いた4つ切り暗箱
この三脚は実に危険極まりない構造で夫々が独立していますしちょっと触ると外れるので現用の三脚を使うようにしないと怖いです。
ピントグラスでフレーミングやピント合わせをしてのちに跳上げてスキャナホルダーを挿入します。
パソコンとはUSBケーブル1本で接続し電源も供給されます。
後から見るとガラス乾板を取り付けるのと何ら変わりがありません。
右側からズーット差し込むのではなく、本体左上に見える切りカギとマガジンの出っ張りを合わせてずらすだけですから5cm位ずらして脱着。
小さいのは35mmサイズのバルナックライカV型、レンズは100年以上前の「プロター」
大きさが相当違いますね。
例によって図々しい自画像です、後方を軽四輪トラックと普通車が通り過ぎて行きました。
スキャン精度を高めると拾数台の車を写すことになりますが奥の方から遠くを走ってくる車はほとんど正常に見えますね。
撮影画素数は一憶4千万画素でしたので昨年製作したブロニカマガジン式のスキャナーバックには及びません。
15m程離れた歩道を歩くご婦人はゆっくり歩いているのであまり圧縮されません。
レンズはBAUSCH&LOMB ZEISS PLOTAR SeriesVII 187/8in(米国製)
1895年に発表されたレンズなのですが1894年から日清戦争が始まっており
きっと仲の悪かったドイツとアメリカでこういう技術の交流はやっていたのでしょうか歴史を考えると感無量ですねぇ。
このスキャナーカメラは一応モノクロ専用です。
カラー撮影のためにはレンズにRGB3色のフィルターを通して3回撮影し
それをフォトショップで3枚重ね合わせて処理すれば不可能ではありませんが僕はモノクロの方だけを必要としています。
まだまだ一応光が通って写ることが判ったばかりですが100年を超える昔のレンズを通して
ピントグラスでアオリ効果などを楽しみながら割とすぐに結果が見れるという獅子舞ゴッコが楽しめそうです。
未完成ながら拙速ですがお正月の出し物としてUPさせて頂きます。
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