シノゴ・フイールド写真機の製作。(4×5)
                                                       2003-7-5

確か本年の始まりごろから構想は練り始めたのですが、
図面を書くのが苦手で中途半端になってしまっていたシノゴのフイールドカメラです。

軽くて、すぐ撮影姿勢になれて、自由に操作できると言う相反する性能を性能を要求するわけですから、まるでへんてこなお化けになるのかもしれません。



そういえば、むかしディアドルフという大型カメラの老舗がTriamaproというカメラを作っていましたね、

プレス・スタイルの45,57なのにいろいろと煽り操作などもできる万能型で、結局は超高価、重たい、デカイなどの理由であまり人気が出ずに終わってしまったカメラのようですね。
数が少なかったのでいまはプレミアムがついてかなり高い値段で取引されているようですがメーカーとしては戦略失敗ですね。

なんだかいろいろと欲張ったところだけは似ていなくも無いカメラの製作となってしまいました。

おまけに、古典カメラばかりいじくっているのでなんとなく古典カメラのような雰囲気に仕上がってしまいました。


 性能予定

 フロント リアー
ライズ 50mm なし
フォール ゼロ(ベッドダウンで多少可能) なし
ティルト 前傾90度、後傾30度
15度ベッドダウン時
15度ワンタッチ上向き機能
後傾25度ダイアル式ラックピニオン
スイング 左右30度 なし
レンズボード リンホフボード、ベッドダウン時の15度角度補正ワンタッチ
ベッドダウン 15度  
蛇腹最伸長・最短長 420mm(最短は一応現状では120mmまで)レールはリトレックビューから
ただし、15cm以下はピニオン操出がありません(ピニオンがほしい)
15cm以下の場合はベッドダウンさせます。使えなくは無い程度です。
カメラバック リボルビング(トヨビューのバックと思われるジャンク・フレネル・方眼マット付き)
現在、ルーペ内蔵の保護蓋を製作中。
カブリを被らなくてもいい様にしたい。(8/8で一応製作完了)
本体重量 2,3kg(レンズ無し)
 概算寸法 縦・200、横巾・180、奥行・135mm(フードケースが+15mmとなりました)



ジャカルタのサムスルさんから頂いたマホガニーを使いたかったのですが図体がでかいので材料不足になってしまいます。

3月に渋谷の東急ハンズで仕入れておいたチーク材(10mm)を使うことにしました。
このカメラの寸法で10mmの板厚は頑丈すぎて不細工に感じます。
それに、チークの比重も馬鹿になりません、したがってここは8mmで行く事にします。

10年以上もほったらかしにしていた電動カンナを引っ張り出して8mm厚に何とか削り上げました。
板巾が80mmしか無いので、先に隣同士を凸と凹にして組み合わせ接着した後、必要な巾を切り出します。

むかし、模型飛行機を作っていた時の癖で、材料の重量は頻繁に計測します。
われながら無意味な習性に、あきれ、驚きますね。


 組子の技術は無いのでこのような工作で組みます。

 

 木工ボンドを付けて接着開始。木工は苦手なのですが、接着剤を使わなくてもしっかりとしていました。


バックの下敷きになっているのは、いい加減な構想図です、すでに外形寸法など少しずつ違いますが、すべて現物優先。
レール等はリトレックビュー45の部品を解体して流用します。

考えて見ると、昨日一晩でここまで出来たのではありません。

長い事、この期を待って少しずつ準備はしていたのですね〜


7月6日 

 2日目です。
蝶番を買いに行きましたが、本体前面の蝶番は既製品では思ったようなものがありません。

そこで、ここだけは製作しました。
まだ、木工ネジ穴は開いていませんがバフ掛けしたのでぴかぴかです。


 ライズ用の上部BOXの跳ね上げは市販の蝶番を使いました。
 バックは上部だけをチルトできるようにしたいと思いますが、ホルダーは今あてがっている既製品を使おうかと思っています。
 
よく考えて見たら今までこういったフイールドカメラのまともなものを触った事も無いのです。

群盲、象を撫でる・・・どころか触らぬ象を描き始めたわけですからどんな事になりますやら。

本日のところ、前蓋が取り付け完了しました。
レール繰り出し摘みの穴位置も決まったのでえぐりました。
そうだ、前蓋のロックはこのダイアルにさせよう。
左にあるカメラは、土佐在住のさるお医者さまからの頂き物、オリンパス・PM-6 顕微鏡カメラにラヂオナーを付けた変造カメラ。
ファインダーがありませんので心眼カメラとうそぶいています。


7月8日

今日は他の事もあって製作に専念できませんでしたが、気がかりなレンズボード回りに手を付けました。

額縁の両サイドの長穴は苦労したんですよ。
リンホフボードが使えるようにしまして、いま、仮にあてがっているのはイマゴンですね。


7月9日
本日出張であまり作業が出来ませんでしたが、15度のベッドダウンに対して
レンズとフイルム面が平行になる機構がうまく働くか進めました。

後はワンタッチで、普通の平行に戻すための操作爪を工夫してやれば良い様です。


7月10日
昨夜の宿題、操作爪を付けて、こんどはバックあおりに移りました。

バックあおりは左右チルトも考えましたが、もともとそんなにあおりを駆使できる技も持っていないし、
強度重視で上側が後方に最大で30℃傾ぐことにしました。
側面のダイアルとバックから出たラックギアの組み合わせでとてもスムーズに角度が変わります。
ダイアルのテンション(硬さ)は調整可能です。

前方、レンズボードの15度ロックの解除も前側最下部に二つのピンが出ているのが見えますか?
この角を内側に寄せるとまた垂直にもどります。

明日は前蓋の0度、15度ベッドダウンの固定レバーの工作に入ります。


7月11日
 収納時のレールが無いのでありまして、この複雑な機構(知らない人が見てもなんとも無いところですが、作業者は大変
何とか工作を終わりましたので、次に前蓋のラッチを工作しました。
また、フイルム部のバックあおりのギアぶのかみ合わせ機構を最終仕上げしました。

左上がバックあおりのラック・ピニオンです。
厳密に30℃動かすとラックが前蓋と干渉しそうなので28度ぐらいまでバックで止します。

 スーパースピグラと並べて見ました。
BOXがデカイだけに42cmも伸びてくれます。
BOX内から白いのが伸びていますが、これは収納レールで、まだ組付けが終わっていませんでした。


7月15日
少しサボりました。
本体の、レンズボード収納レールの工作も終わったので、リンホフボード周りの工作とかあまり目立たない工作をしています。
いよいよ蛇腹の製作に掛かりました。

パソコンのCADソフトでケント紙にパターンを打ち出します。
40cmも伸びるので√2倍して約60cmもあります、ボールペンで強くなぞって折りやすくします。

 いったん折った折り目の両脇5mmほどを残して山の折り目をはさみで約1mm切取って捨てます。
これで、重なりの部分がかさばらないのと、折り目がつきやすくなります。
割といい加減な切り取り方ですが問題にはなりません。


7月17日

本日、不本意ながら蛇腹が姿を表しました。
外装はハンドバックの裏側に使うレザーだと思います。
本の外装に使う擬皮は0.2mm、ハンドバックの裏地は0.25mm、この僅かの厚みの違いが問題になります。
今回手持ちの都合でハンドバックの裏地を使う羽目になりました。
100%引き伸ばすと60cmもある蛇腹の工作は今回も大変貧弱でしたがとりあえず使えなくはなさそうです。

とりあえず最大伸長420mmであります。


上の蓋を開いて収納した様子が覗けます。
使う気はありませんがジンマー180mmなどがそのまま収容できそうです。
レンズボードを除いた重量は現在2kg、まあまあの重量に仕上がったと思います。
これから三脚座や、水準器を取りつけ、塗装仕事に入りますので一度ばらしてしまいます。
しばらく時間がかかります。
1週間ぐらい掛かるかな?


7月26日
 チーク材の色が気に喰わないのでいろいろ考えた結果ステイン着色では濃過ぎると思いましたので、柿渋を使って見ることにしました。
一度塗っても極僅か変色するだけですが暖色系の色に変わって行きます。
下地調整が出来たのであめ色の透明系合成漆を塗ります。
さらに、イギリスのオイルストーンと言う木材仕上げざいを塗ったのが致命的な問題で3日ほどべたべたと乾燥しない。
赤外線で暖めたら木材が歪を起こす・・・いろいろ慌てましたが何とか時間が解決をしてくれました。

ついに完成しました。
とりあえず試写をして見ます。
使って見るとまた手直しがでてくるものではありますが。
 
蓋を閉じたところ、取手は仕事の残材・・・             バックはレボルビング出来ます。

 
上には広角玉ライズ時の蓋があります。            普段の撮影姿勢。


何でもできることを全部やって見ているところです。
レンズボードのスイングも出来るのだった〜

このスタイルは・・・つまりエリマキトカゲが相手を威嚇しているようなものですね。

レンズを除いた重量は2,3kgとなりました。(取手もつきました・1枚目参照)


8月8日
実際にフイールドにも持ち出しましたが、被りを忘れて困ったりしましたのでバックの保護も兼ねてルーペ付きのフードを作って見ました。


折りたたみフードを開いたところ。ルーペで全画面を約2,5倍に拡大して見ることが出来ます。
ルーペのレンズはアクリル製、子供のおもちゃの双眼鏡の対物レンズですが歪も少なくて軽くて都合がいいのです。



閉じたところです。後方に15mmの突出となってしまいました。
なお、この部分は開き戸式に開けますので精密ピント合わせなどの際は即座に取り除けます。


とりあえずの試写です。(7月27日)

レンズはドッペルプロター(ProtarlinseZ F-35cmとf-29cmの組み合わせ、推定焦点距離18cm位)
絞り値は3焦点で使うため30mmMaxの直径表示ですから焦点距離と計算するためメモか電卓が要りそう)
今回はダブルで18cmとして使いました。


今夜食べようかと言う苦瓜です。(もう1日待っていると大きくなるか?いきなり赤く熟れてしまうか?


 とりあえずバックチルトの操作テスト。実に具合がいいですね。
カメラの位置から手前は1m20cmぐらい、奥の方は1m60cmぐらいですが全てピントが来ています(当然ですが)

 手元にある自作機をかき集めての御挨拶です。
後方両側の2台は自作ではなく改作です。


南阿蘇へ出かけました。熊野座神社の拝殿から見下ろした参道。
この直下に姉の家があります。