BALDAのPoka2 ボックスカメラ整備と試写


                                                                              2004/08/24

静岡県にお住まいの親しいお医者さまからBOXカメラのレンズ汚れを掃除して欲しいとのご依頼を受けました。
外国のオークションで入手されたと言う、表記のカメラ名です。
シャッターもB-I、つまり単速カメラで絞りは・・・これが明暗切り換えとばかり思っていましたが・・・
前面のレバーにはNahとFemとの記入です。
これを切り換えて見ると、なんとNafではレンズが1枚挿入される仕組みです。
ドイツ語でNahとは?naherですとより近いと言う意味ですね。
Femがわからないのでよくよく見るとfern, (F.E.R.N.)これですね・・・遠い(空間的に)と云う意味でした。

さて、レンズはメニスカスレンズ2枚を前後に配置して、その間にNahの時に僅かにプラスのレンズを挿入する仕掛けでした。

問題のレンズの汚れは後玉の内側に付いていてブリキのボデーにはネジひとつ見当たりません。
困ったものだとよく観察すると後玉を押さえるリングに割が入っています。
レンズと押さえリングの間にピアノ線で作った鉤を引っ掛けて引っ張ると造作なくレンズが外れてくれましたので
残りのレンズも磨けるだけ磨いてきれいな状態になりました。



Pokaはc1929〜38まで生産されたと記録にあります。
Poka2は 同じ頃上位機種として作られたのではないでしょうか?
フレームは6×9と 6×4.5の二通りで2個のファインダーはブリラント方式ではなく凸レンズとミラー、摺りガラスの
2眼レフファインダー式ですので歪はないのですが小さくて暗いので写すときはほとんど山勘で写すことになりますね。
縦、横ファインダー付ですから3眼レフ?
ただしファインダーの寸法が14mm×20mmと切手より小さいのが難点。


これが2焦点切り換え、右側から挿入レンズが顔を出しています。
レバーをさらにNah側に倒すと完全に3枚目のレンズがでてくる仕掛けです。


Fernで写した遠景。700mほど離れた高圧線の電線は見えますがフレアーが多いですね。


Nahで写した4mほど離れたスクーター


Nahで写したベンチに座る人。


Nahで写したブランコ。、3mぐらい離れたところが良いのかな?


Fernで撮影。


Fernで写したはずなのですが意外と近距離に合っています。