水没風化PAXETTET

ジャンクのパクセッテー200円なりと言うのに手を出してしまいました。
パクセッテは距離目測のT型(c-1950)とIIM(c-1953)と言う距離計内臓、非連動のものとがあるようです。
今回入手したのはI型ですが二つの窓があり、ついRFと見間違えますが、
向かって左の窓では光学認識タイプの露出計を有する目測機ですね。


ダイキャストの部分が風化してボロボロと崩れていますし水没のあとが歴然としています。
しかしコンパクトで可愛い形をしているのでつい手を出してしまいました、しかも200円。

レンズボードを止めている4本のネジを外したところです。
絞り羽根も、圧板もさびていまして当然シャッターは動きません。
中身の構造はいままで随分沢山のカメラを分解しましたがまさに独創の塊、見事な設計です。
ただ残念なのは中級、初級クラスの悲しさで材質が悪かった!。
しっかりしたものを見つけたら絶対買い換えます、いいレンズです。
ただしメンテナンス性は物凄く悪いです。


レンズボード上のパーツは上の段左から右に順番にそして下段の左から前へ重なっていきます。
シャッターはバリオ、チャージはボデー内から巻き上げ時にチャージします。
10日ほど油漬けにしてガバナー類は分解して再組み立てしたら動き始めました。

レンズはCassar 1:2.8 45mm ですが全群移動ですからまじめな設計ですね。


軍艦部を開いたところ。
右下がりの鉄板がクランク運動をしてシャッターチャージとカウンターを動かします。


巻き上げダイヤル、一体整形のキャストなのですがこれが大問題。
ダイキャストが風化してまるでアンチモンのようにボロボロと崩れます。
Bの場所にAのパーツが付いていたのですがポロリと折れてしまいました。
Cの部分も欠けました。
これはすでに真鍮を旋盤加工して打ち込んだところです。
鑢で加工して四角くしたり、中央に1.8mmのタップを立てたり涙ぐましい努力をしました。


Bの部分は薄いりん青銅の板を瞬間接着剤で内側に貼り付けました。
これが無いと勾玉状の溝をなぞってシャッターチャージする機構が駄目になります。
Aの部分の真鍮のところが形成して打ち込んだ金具です。
実物は小さいので大変な作業でした。


裏蓋のほうから見ますと軍艦部のダイキャストが虫食い状に広く欠けているのが見えますね。
光線漏れはないようですがフイルムを装填したらパーマセルテープで目隠しすることにしました。


かろうじて動く状態になりましたので1枚記念写真。
もう200円のラベルも外そうかと思います。


早速の試写


先ずは∞ 1/200 f:8です。


f:4にて 庭のレモン


モデルがいないので左手にエアーレリーズを握って。
f:4 1/25

お粗末なものをご覧いただきました、ありがとうございます。


エーイ もうひとつおまけだ、こんにちは。

END

TOPへ戻る