ミノンシックスIII(大和光機)minon Six III(yamato kouki)

昭和25年にII型が発売されていますのでおそらく昭和26年の発売の写真機だと思います。
昭和26年だろうかという推測の根拠は昭和27年には蛇腹式35mmカメラ、パックス35を発表しています。
このカメラは単独式ながら距離計を内蔵していますのでかなり先進的な技術を持った会社ですね。

そういえば昭和38年のフォトキナにはアートロニックFという1眼レフを出品したとあります。

友人のお父さんの形見だということで7年ほど以前に修理してあげたことがありますが
最近シャッターが動作しなくなったということでまた修理に持ち込まれました。
なお、別の友人から最近修理依頼を受けたミハマシックスという目測機と名前を混同していましたが
まったく違うカメラですね、ヘリコイドグリスもミハマシックスは緑青で緑色になったグリスで固着していましたが
このミノンのグリスは上質のグリスだったのか何事もなく無事でした(7年前も)。


向かって左側のダイヤルが単独距離計。
レンズ鏡筒の歯車は絞り値変更ダイヤルです。
レンズはLuminor Anastigmat 1:3.2 F=75mm
シャッターはTSK B・1〜1/200
6×6と6×4,5切替式です。


TSKシャッターはコパル方式(プロンター方式)です。
写真では判りにくいと思いましたので下手なマンガで書いて見ました、この部分の折損はこれで2台目です。

シャッターの”C"を上に持ち上げるスプリングが腐食で折損していました。
赤い”A"がシャッターチャージレバーで反時計方向にチャージします。
するとピンで接合された”C"(グリーン)のアームは僅かに右移動したのちに下(3)の状態に引っ張られて
羽根ピン”B"を引っ掛けて停止します。
次にシャッターを切ると羽根ピンを勢い良く時計方向に回転してシャッター幕が開く構造です。

”A"に繋がれた”C"をこの図では常時上側に押し付ける役目の髪の毛より細い程度のスプリング(下のマンガ)が
折れていましたが運よく2回転巻きしてありましたのでニッパーでズルズルと引っ張り出して整形しました。
バネの強さは常時上側に軽く持ち上げて切り欠きが羽根ピンを捕まえるだけですから適当で構いません。

さて、蛇腹のピンホールも2箇所ありましたので簡単に裏側からパーマセルテープで補修しました。



光線漏れてスト 1
f:5.6の撮影です。



開放(f:3.2)最短距離テスト
単独距離計の数値を前玉回転ダイヤルに移し変えての試験です。



まだ青く小さいアンズの実が・・・f:4



枇杷の実もまだまだ梅干程度です。
f:5.6



巨峰の実はまだまだ全体の長さで3cmほどで一粒はゴマ粒みたいなものです。
f:5.6

END

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