RBグラフレックスの整備と試写

                                                               2004/07/04


 手札サイズのグラフレックスが1台入荷しました。
これより小さいサイズで23グラフレックスと云うサイズの1眼レフもありますがどちらも現行フイルムは入手困難です。
 そこで、一般的に23サイズはブローニー6×7のフォーマット、手札サイズは6×9サイズにして使うことが多いですね。
手札サイズはRBタイプ(レボルビング=画面が縦横回転し、切替えられる)を利用してシノゴサイズのシートフイルムを
贅沢に4×4のスクエアフォーマットで使うことも可能です。

 もう1台AUTOと命名された近接撮影機能も付いたのが1台転がっていましたのでホルダー部分を採寸して見ますと
これが全く同一サイズです。
工業製品としてホルダーサイズなども規格化されていますので古いトプコン・ホースマンのロールホルダーを手札サイズに
加工して見ました。


左が今回入荷したRBグラフレックス3 1/4×4 1/4
レンズはテッサー150mm f:4.5 BW2 
製造番号=102060 1919〜1921年の間に生産されているようです。

右はRevolving Back Auto Graflex3 1/4×4 1/4
レンズは195mm f:4.5 DOGMAR
製造番号=117186 1921〜1922年の間に生産されているようです。

 写真では右側のAutoの後方にホースマンのホルダーが付いています。
交換はスライドロックでワンタッチです。


痛んだグラフレックス社独特の通称「フンドシ」と呼ばれる幕です。長さは1.5m以上ありました。


ダークバックなどに使われているゴム引きの布をオリジナルの窓サイズに合わせて裁断します。
縁金は鉄製で古い物はもう使えませんのでビールの空き缶を利用して製作します。
先ず、L型に折り曲げ次にスチールの物差しなどを入れてコの字にし、それを切り口に差し込んだ後
へらなどでしごいてつぶします。さらに低粘度の瞬間接着剤を流し込んで完成します。


中央2本はLマゲした物。
ものさしにあてがってコの字に折り曲げているところ(布が楽に出入りできる隙間)
両サイドには布幕に差し込んで下り曲げる、曲げ代を作っています。


汎用 69ロールホルダーの加工。

 フランジバックはオリジナルの5mm程度に対してどうしても2mm以上大きくなりますが、ピント面などで
調整することにしました。

 実はこれが大きな誤算で、夫々のレンズは∞が完全に最短位置で決められていましたのでレンズを
2mm沈胴しなければ無限大がでないことになり、さらにテッサーの方はもともと最初からレンズの後方金具は
ミラーとの干渉を避けて少し斜めにカットされていましたのでさらに削らなければいけないことになりました。


このホルダーは何時でも元の状態に復帰できるようになっています。


試写

これはテッサー f:11ぐらい シャッター1/110ぐらい。フイルムはAGFA APX 400


これもテッサー f:11ぐらい シャッター1/110ぐらい。フイルムはAGFA APX 400



ドグマー(ドイツ・ゲルツ社)  f:4.5ぐらい シャッター1/110ぐらい。フイルムはAGFA APX 400
つまり絞り忘れの2段オーバーをスキャナーでごまかし。
テッサーと同じフイルムの途中からドグマーに換装

今回はここまで。 ご覧頂き有難うございました。