BRONICA EC-TLUが動いた。
先日ブロニカC2を整備してその複雑さにあきれてしまいましたが次はブロニカECを分解整備。
シャッター調整を電子化したためにかなり簡単な機構になっておりました。
実は総仕上げにやりたかったのがブロニカEC-TLなのでして、これはぜひ修理完成させたかったのでした。
ECのオーバーホールはそのための偵察みたいな作業なのでした。
C2でダイヤルひとつ分解するのに幾つものパーツと膨大なネジの脱着をしたのはなんだったのか?
今回のEC-TLUはあっけなく開腹できました。
オレンジ色のパーツはシャッターソレノイド。
機械的にセッティングした後電子回路で時間設定した秒時で開放されます。
機構部品は極端に少なくなっています。
長い年月不動で放り込んであったのか油切れでブレーキパーツスプレーとオイルの溶解油を満遍なく給油
数十回きしむ動きのところは手で助成してやって快復しました。
先ずは動き始めたと言ってもバルブ動作のみで、シャッターを押しているときズーッと幕が開きっぱなし。
もうひとつ電気切り離しの機械式 1/40の単速メカ動作も動き始めました。
電子回路基板を開いて観察する。
機械動作はほとんどミラー上下だけの仕事なのですが、凝っていてミラーは2分割され前方ミラーは下に下りて斜光され
後ろのミラーは上に跳ね上がると言う、精度を要求される複雑な機構です。
LSI(大集積回路)が2個、これが壊れていたら修理不能です。
配線を辿っていくと左が露出関係。
右のLSIと周辺のトランジスタ10個ぐらいがシャッター時間調整関係のようです。
プリント基板のトラブルでよく出てくるのが半田付け不良。
この手の基板は自動半田付けされていますがパーツのサイズが色々あるとか
半田付け前のパーツの酸化などで見た目は正常でも導通不良な場合があります。
細かい半田付けですから古い半田をポンプで吸い取り、注意しながら0.5mmの新しい半田を差していきます。
それとポテンショメータ(半固定抵抗)が7個見えますので
元の位置をマジックで書き込んでおいて僅かに位置をずらします。
この半固定抵抗の接触不良でよく不具合が起きるからなのです。
僅かに露出誤差が起きるのかもしれませんが動かなければゴミですからね。
どちらかと言うとメカの修理と言うよりも電気回路の修理のウエイトが大きかったですね。
露出計も完全に動作をするようになりました。
完成しました、正常に動作しているようです。
早速の試写
レンズはZENZANON 100mm 1:2,8
フィルムはFUJI PRO160 NS120-12
自家現像
自動露出のチェックのため全てオートモードで絞りだけ設定、露出補正なし。
最短接近
これも最短
カメラを警戒している子(ゴメンね)。
END
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