ブロニカC2のオーバーホール

ブロニカは吉野善三郎さんが卓越した能力で独自に開発した中判1眼レフの傑作ですね。
アマチュア精神を貫いて全てを独自設計で試作開発して完成されただけあってかなり凝った作りでもあります。

スローガバナーが油切れで使えなくなったC2型を整備しましたが一番大変だったのは分解の仕方がわかりにくい事でした。
中を開けてみれば随所に独自の工作がされていますが動きを見れば特に怪しげな機構はありません。
今回、シャッターダイヤル側を開いて洗浄、給油をしました。
ほとんど開閉の手順の説明に終始しますが御勘弁願います。



S2のあとにマガジン部を一体化して簡易化したC型の発展系でC2は120と220フィルムを使えるようになっています。




レザー飾りが2重に付いていますが外側のドーナツレザーを剥がせばOKでした。
この写真では必要のなかった中心の丸いレザーも剥がしています。
2Φ位の穴がありアルミプレートは単に接着してありますので力を入れてこじ開けます。
変形したら後で整形します。



5本のネジを取ります。



バヨネット金具が取れます、ここで側板を取り去るのですが
シンクロターミナルと周辺の5本のネジのほかにストラップ金具の周辺に3本のネジがあります。
本来はストラップ金具が取り外せるのでしょうが特殊なリングが使ってあってgive upしましたので
ストラップ周りのレザーの脇から3個のネジを外すことになります。



タイムダイヤルを外しますとこの状態で、側板が取り払われます。す。
いまシャッターダイヤルは「B」の位置ですので位置決め確認のために真鍮ラッチエットリングに赤マジック
周辺の円周カムの頂上部に「B」と書き込んでいます。



シャッタークリックを作っている中心のアルミブロックのネジを取り払います。



先ほど説明したリングのマジックで書いた「B」と「コロ」の位置関係。
これがわかったらこのカムリングを外します。




左側のカタカナでヌの字に見えるカムレバーの下側がスローギヤ部です。
自動車用品売り場で売っているでかいブレーキクリーナースプレーで一気に洗浄しました(ベンジン品切れのため)。
凄い脱脂力と揮発性です、すぐに油切れになってしまいますので
小さな器に、このスプレーを10ccほど吐出させてミシン油を2,3滴たらして攪拌し、
これをシリンジに吸い取って要所要所に塗っていきます。
薄い油膜で、シャッター羽根や絞り羽根はありませんから割と気前よく給油します。
最後に電気接点等は爪楊枝を平たくナイフで加工したものをはさんでしごき、接点面をクリーニングします。




組み立てはこの手順の全く逆をたどります。
リング類は右側から左側に向かった順で組み立てていくことになります。

TOP
END