Revolving Back Auto Graflex(3・1/4×4・1/4=手札版 ) 1907〜1917 DOGMAR f:4,5 19,5cm 2002/11/25
このカメラは1909〜41まで長く作られた一眼レフでほかに4×5インチ版もあります。
1909〜16まではレンズボードサイズが3インチ正方だったようです。その後16〜41までは3・1/4正方になったようです。
長期にわたって製作されたためにもっとレンズボードのサイズの違うものもあります。
ここにご紹介するものは製造番号117186です。
1926年からのNo147607については製造年がわかる資料がありますが、本機は製造年が確定できません。
シャッター速度銘板を見るとKodakの傘下にあったことを示す記載があります。またFORMAR
DIVISIONとなっていますので1907〜1917と解ります。
FORMAR DEPARTMENTと記載があれば1917〜1926と言うことになります。
レンズボードが3・1/4正方でFORMAR DIVISIONですから1917年の製造ではないかと推測します。
85年前のカメラが一度も修理の手が入っていない状態であるということはすばらしいことだと思います。
シャッター幕はまだ丈夫ですがいくつかのピンホールをふさぎました。
ミラーはまだまだしっかりしていましたが年期がいっているのと、実用に使うため表面鏡に交換しました。
機構部は油切れを補給しただけで元気に作動し始めました。
ピントフードはボロボロになっていました。ここはオリジナルも偽皮ですのでそっくりな素材を探して張り替えました。
各部の止めネジも几帳面に整列されているところは職人の心意気が伝わってきます。
手札版の両面撮り枠が5個も付属していましたので、4×5シートフイルムを切って使うことにしました。
レンズはDOGMAR f:4,5 19,5cm クリーニングで大変綺麗な状態に蘇りました。
40cmまでも伸びる長大な2段延ばしレールが付いています。シャッターは1/10〜1/1000までです。
光学系のミラーを交換して裏面鏡から表面鏡に変更したのでピントグラス位置の再調整をしました。
1,5mでの試写。 レンズ開放(4,5) 1/10です。ピントは中央のカメラのGRAPHEXの文字を狙いました。
部分拡大です。開放でもありますのでこれで良しといたします。